• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

Ire1による小胞体ストレス感知機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18570179
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

木俣 行雄  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 准教授 (60263448)

キーワード分子生物学 / 細胞生物学 / 小胞体ストレス / 分子シャペロン / 細胞内情報伝達 / オルガネラ / タンパク質
研究概要

小胞体は分泌系タンパク質の高次構造形成が行われる細胞内小器官である。小胞体ストレス状態ではこのプロセスが阻害され、構造異常タンパク質が小胞体の内部に蓄積する。あらゆる真核生物の小胞体に存在するI型膜貫通タンパク質Ire1は、小胞体ストレスに応じて活性化し、小胞体ストレス応答を誘起する。代表的な小胞体ストレス応答としては、小胞体内在性分子シャペロン遺伝子の発現誘導を挙げることができる。本研究では、Ire1が小胞体ストレスを感知する、すなわち、小胞体ストレスに応じてIre1が活性化するメカニズムの解明を目指した。
まず私は、小胞体ストレスに応じてIre1が多量体化することを見いだした。多量体化に関わる領域を欠失させ、恒常的に多量体化しているIre1変異体も活性化に関しては小胞体ストレス依存的であったことから、多量体化は活性化の十分条件では無いと考えられた。次に私は、Ire1の小胞体内腔ドメインに構造異常タンパク質が直接的に相互作用することを明らかにした。Ire1小胞体内腔ドメイン変異体の表現型は、この相互作用がIre1の活性化にとって必須であることを強く示唆している。すなわちIre1は、「多量体化」そして「構造異常タンパク質の直接的結合」という2段階で制御されているのである。この2段階の制御により、「応答の正確性」すなわち「Ire1は小胞体ストレスに対しては鋭敏に応答するが、他のストレスに対しては応答しない」ということが保証されていると考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 小胞体ストレスはどのように感知されるのか?2008

    • 著者名/発表者名
      木俣 行雄
    • 雑誌名

      蛋白質核酸酵素 53

      ページ: 12-19

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Self-association and BiP dissociation are not sufficient for activation of the ER stress sensor Ire1.2007

    • 著者名/発表者名
      D. Oikawa
    • 雑誌名

      Journal of cell science 120

      ページ: 1681-1688

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Two regulatory steps of ER-stress sensor Ire1 involving its cluster formation and interaction with unfolded proteins.2007

    • 著者名/発表者名
      Y. Kimata
    • 雑誌名

      Journal of cell biology 179

      ページ: 75-86

    • 査読あり
  • [学会発表] Two distinct regulatory steps, cluster formation and direct binding to unfolded proteins, of endoplasmic reticulum-stress sensor Ire1.2007

    • 著者名/発表者名
      木俣 行雄
    • 学会等名
      Gordon Research Conference "Stress Proteins in Growth, Development and Disease"
    • 発表場所
      英国オックスフォード
    • 年月日
      20070819-24

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi