研究課題
基盤研究(C)
細胞核内では遺伝子の転写、複製、修復など多くの重要な事象が複雑な制御のもとで起こる。核内は均一ではなく、高度に組織化され、ゲノムを含む染色体領域に加え、様々な構造体がダイナミックに変動しながら存在することで、効率的な反応を可能にしていると考えられる。本研究では核内構造体の形成機構、特にユビキチン様タンパク質であるSUMOによる翻訳後修飾の関わりを明らかとすることを目的に、下記のように実験を計画し、遂行した。核内構造体形成に関わるRanBP2のSUMO化活性:細胞内のSUMO化活性を可視化するために独自に開発した、in situ SUMOylationアッセイ法を用いて、核膜孔でRanBP2がSUMO E3活性を発揮していることを明らかとした。siRNAを用いたRanBP2の減弱により、核膜孔におけるSUMO化活性が消失するとともに、PMLボディーの数が減少、核スペックルが形成不全になるなど核内構造体に様々な変化が観察された。タンパク質が核膜孔を通過する際にRanBP2によりSUMO化され、核内で適切な場にリクルートされることに重要である、という新たな可能性が示された。核スペックルの機能と形成機構の解明:核スペックルは転写、RNAプロセッシング、輸送に関わる多くの蛋白質とpoly(A^+)RNAを含む、遺伝子発現制御に重要な核内構造体である。RanBP2の減弱により核スペックルの不全を呈する細胞に着目し、遺伝子発現様式の変化や、核スペックル構成因子群の挙動を半網羅的に調べ、核スペックルの形成機構を分子レベルで追跡することを可能とした。以上のように本研究においては、核内構造体の形成機構に関わるタンパク質SUMO化修飾の多くの知見を得、細胞核の機能とダイナミクスの解明に大きな進展があったと考えられる。
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