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2007 年度 実績報告書

hDREFによる細胞周期調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18570185
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

広瀬 富美子  兵庫県立大学, 大学院・生命理学研究科, 准教授 (60208882)

キーワード細胞周期 / 転写因子 / ノックダウン / レンチウイルス / hDREF
研究概要

本研究では、細胞増殖に必須な役割を果たす転写調節因子hDREFの細胞周期における作用点とその役割を明らかにすることを目的に,hDREFの標的遺伝子の同定とhDREFをノックダウンしたときに起こる細胞の表現型の詳細な観察を行い、以下のような成果を得た。
(1)hDREF標的遺伝子の同定について
hDREFをノックダウンした細胞で発現に変化のある遺伝子をDNAアレイ解析によって検索し、約200個のhDREFの標的遺伝子候補を得た。これらの遺伝子の中でリボソームたんぱく質をコードする22個の遺伝子がhDREFの主たる標的遺伝子でありかつ、細胞周期を進行させるのに本質的に必要であるかどうかを検証することができた。このことは、hDREFはトータルな細胞内タンパク質合成量を決定する上で重要な役割を担っていることを意味している。今後は、他の候補遺伝子の中で直接hDREFによる発現調節を受ける遺伝子をChIP on chip法などで絞りこむ予定である。
(2)hDREFの細胞周期進行における役割について
初年度の研究により、hDREFをノックダウンするとG2-M期の細胞が蓄積することを明らかにした。これを受けて、G2-M期に起こる時系列的なイベントのうちどのステップがhDREFのノックダウンにより影響を受けるかをウエスタンブロッティングと細胞の免疫蛍光染色により調べた。その結果、hDREFの枯渇は、M期の極初期で染色体の凝縮が始まる以前に細胞周期の停止をもたらすことが判明した。さらに、核膜周辺と核小体周辺でヘテロクロマチン化が亢進されていることを見つけた。このことは、hDREFがクロマチンの高次な構造変換の制御に関与している可能性を示唆している。今後はその分子メカニズムとG2/M期との関係性を明らかにする必要がある。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The DRE/DREF transcriptional regulatory system:a master key for cell proliferation2008

    • 著者名/発表者名
      Matsukage A, et. al.
    • 雑誌名

      Biochim.Biophys.Acta 1779

      ページ: 81-89

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Perilipin,a critical regulator of fat storage and breakdown,is a target gene of estrogen receptor-related receptor alpha2008

    • 著者名/発表者名
      Akter MH, et. al.
    • 雑誌名

      Biochem.Biophys.Res.Commun. 368

      ページ: 563-568

    • 査読あり
  • [雑誌論文] DREF regulates cell proliferation and expression of ribosomal protein genes2007

    • 著者名/発表者名
      Yamashita D, et. al.
    • 雑誌名

      Mol.Cell.Biol. 27

      ページ: 2003-2013

    • 査読あり
  • [学会発表] 転写因子hDREFの細胞周期における作用点の解析2007

    • 著者名/発表者名
      Nishimura R, et. al.
    • 学会等名
      日本分子生物学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2007-12-12
  • [備考]

    • URL

      http://www.sci.u-hyogo.ac.jp/life/molbio/index-j.html

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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