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2006 年度 実績報告書

消化器官幹細胞の分子的同定と機能分化

研究課題

研究課題/領域番号 18570204
研究種目

基盤研究(C)

研究機関首都大学東京

研究代表者

八杉 貞雄  首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (70011591)

キーワード消化器官 / 幹細胞 / ニワトリ胚 / 細胞培養 / 遺伝子発現 / PPAR / 形態形成 / 細胞分化
研究概要

本研究の目的は、消化器官に内在する幹細胞を分子的特徴に基づいて同定し、かつその機能を、主として発生過程に注目して解析することである。
平成18年度においては、ニワトリ胚消化器官幹細胞を同定するための消化器官上皮細胞の培養方法の検討と、従来から幹細胞のマーカーとして注自されているいくつかの遺伝子について発現と機能を解析することに力を注いだ。
(1)ニワトリ胚消化器官上皮細胞の培養と遺伝子発現。まだ未分化な6日胚前胃(腺胃)から上皮細胞を単離し、増殖を促すことの知られているいくつかの成長因子を添加した基本培地で培養する。この条件では、細胞は数日間の培養後に前胃腺細胞のマーカーであるニワトリ胚期ペプシノゲン(ECPg)を発現しないことをわれわれはすでに明らかにしている。そこで、この培養に間充織細胞のフィーダー層(FL)や、前胃間充織細胞の条件付け培養液(CM)を導入することを試みた。FLやCMを含まない培地では、上皮細胞は発生初期から発現するFoxa2やsonic hedghogは発現するが、それ以外の遺伝子の発現は観察されない。FLやCMはいくつかのマーカー遺伝子の発現に影響を与え、培養開始時に発現の始まるcSP遺伝子の発現を許容した。しかしこれらの培養条件でもなお、ECPgの発現は誘導できなかった。この研究は、前胃上皮細胞の培養条件に関して多くの知見をもたらし、今後条件を一層改善することによって、幹細胞を検出する可能性を示唆した。
(2)PPARの機能解析。PPARは核内受容体であり、種々のリガンドや因子と結合して、細胞の代謝、増殖などに関与する。消化器官のがんの発生においても重要な役割を果たしていることから、細胞の分化にも関わると考えられる。われわれはニワトリ胚前胃の形成におけるこの因子の機能解析を行った。6日胚前胃を培養し、PPARgを上皮に強制発現し、同時にそのアゴニストを添加すると、腺形成が著しく抑制され、一方アンタゴニストの添加はその効果を抑制した。また腺形成に重要であるsonic hedgehogの発現を観察すると、PPARとsonic hedgehogは独立に、並行的に作用していることが明らかになった。今度はこのようなPPARの作用が幹細胞の分化とどのように関係するかを、幹細胞のマーカーであるMsi-1との二重検出法などによって明らかにしたい。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Regional specification of the endoderm in the early chick embryo2007

    • 著者名/発表者名
      木村航(Kimura, W.)
    • 雑誌名

      Development, Grwoth and Differentiation 49(印刷中)

  • [雑誌論文] Expression pattern fo the chicken peroxisome proliferators-activated receptors (PPARs) during the development of the digestive organs2006

    • 著者名/発表者名
      北條基(Hojo, M.)
    • 雑誌名

      Gene Expression Patterns 6

      ページ: 171-179

  • [雑誌論文] Fate and plasticity of the endoderm in the early chick embryo2006

    • 著者名/発表者名
      木村航(Kimura, W.)
    • 雑誌名

      Developmental Biology 289

      ページ: 283-295

  • [雑誌論文] FGF10 is required for cell proliferation and gland formation in the stomach epithelium of the chicken embryo2006

    • 著者名/発表者名
      眞昌寛(Shin, M.)
    • 雑誌名

      Developmental Biology 294

      ページ: 11-23

  • [雑誌論文] 胃・腸形成における上皮間充織相互作用2006

    • 著者名/発表者名
      福田公子
    • 雑誌名

      蛋白質 核酸 酵素 52

      ページ: 126-132

  • [雑誌論文] Expression and function of Wnt5a in the development of the glandular stomach in chicken embryo2006

    • 著者名/発表者名
      Listyorini, D.
    • 雑誌名

      Development, Grwoth and Differentiation 48

      ページ: 243-252

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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