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2007 年度 実績報告書

消化器官幹細胞の分子的同定と機能分化

研究課題

研究課題/領域番号 18570204
研究機関帝京平成大学

研究代表者

八杉 貞雄  帝京平成大学, 薬学部, 教授 (70011591)

キーワード発生・分化 / 再生医学 / 幹細胞 / 消化器官 / ニワトリ胚
研究概要

本研究は、消化器官の発生において、将来幹細胞として細胞の新生に関わるようになる細胞が、どのように発生し、どのような機能をもつかを解析するものである。幹細胞は現今の医学、生物学、とりわけ再生医療において中心的役割が期待されているが、発生過程におけるその挙動は必ずしも明らかではない。本研究では、その形態形成と細胞分化の過程が詳細に明らかにされているニワトリ胚胃(前胃)をモデルとして、幹細胞を同定することを第一の目標とした。これについては、musashi-1やPPARといった細胞の分化に重要な役割を果たす遺伝子(産物)に注目してその発現を調べ、後者については機能解析を行った。また、幹細胞を純粋に単離してその分化をin vitroで解析する準備段階として、前胃上皮細胞の細胞培養系の樹立に多くのエネルギーを費やした。これまで、鳥類にしても哺乳類にしても、胚期の消化器官上皮細胞を長期間にわたって培養した例は少なく、まして細胞の分化に着目した実験はほとんどない。本研究では、ニワトリ6日胚の上皮細胞を、いくつかの基本的増殖因子を添加した培養液で培養し、消化器官上皮細胞としての性格を与える遺伝子(sonic hedgehog、foxa2)、胃の上皮細胞のマーカー遺伝子(cSP)、そして胃の腺上皮細胞のマーカー遺伝子(ECPg)の検出を試みた。またそれら遺伝子の発現に対する間充織因子の影響を調べた。その結果、消化器官上皮細胞のマーカー遺伝子は間充織因子を添加しなくても発現し、間充織因子の存在下でcSPが発現するが、ECPgはいずれの条件でも発現しなかった。このことは、間充織因子の今後の解析によって、前胃上皮細胞を希望する条件で培養することが可能になったことを示し、これによって上皮細胞中に存在する幹細胞を同定し、純粋に培養する可能性が生じた。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Molecular analysis of endoderm regionalization2008

    • 著者名/発表者名
      Yasugi, S.
    • 雑誌名

      Dev.Growth Differ 50

      ページ: S79-S96

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Foregut endoderm is specified early in avian development through signal(s) emanating from Hensen's node or its derivatives2008

    • 著者名/発表者名
      Matsushita, S.
    • 雑誌名

      Mech.Dev 125

      ページ: 377-395

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Phospholipase C-∂1 is an essential molecule downstream of Foxn1,the gene responsiblefor the nude mutation,in normal hair development.2008

    • 著者名/発表者名
      Nakamura, Y.
    • 雑誌名

      FASEB J. 22

      ページ: 841-849

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Regional specification of the endoderm in the early chick embryo2007

    • 著者名/発表者名
      Kimura, W.
    • 雑誌名

      Dev, Growth & Differ 49

      ページ: 365-372

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 胃・腸形成における上皮間充織相互作用2007

    • 著者名/発表者名
      福田 公子
    • 雑誌名

      蛋白質 核酸 酵素 52

      ページ: 126-132

  • [学会発表] 初期膵臓領域確立には、内胚葉の感受性の差が関わる2007

    • 著者名/発表者名
      勝本 恵一
    • 学会等名
      日本分子生物学会第30回大会、日本生化学会第80回合同大会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2007-12-11
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] 消化管の領域分化と器官形成の分子機構(特別講演)2007

    • 著者名/発表者名
      八杉 貞雄
    • 学会等名
      第2回消化管粘膜防御研究会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2007-10-13
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] Involvement of PPARg and sonic hedgehog in the morphogenesis and differentiation of epithelial cells of chicken glandular stomach.2007

    • 著者名/発表者名
      Kusaki, M.
    • 学会等名
      48th International Conference on Bioscience of Lipids
    • 発表場所
      Turku,Finland
    • 年月日
      2007-09-06
  • [学会発表] Isolation of genes expressed in the early endoderm of chicken embryo2007

    • 著者名/発表者名
      武政 智恵
    • 学会等名
      日本発生生物学会第40回大会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2007-05-29
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] 胃と腸の形成に関わる因子について2007

    • 著者名/発表者名
      八杉 貞雄
    • 学会等名
      信州消化器セミナー
    • 発表場所
      松本
    • 年月日
      2007-02-15
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [図書] ティッシュエンジニアリング20072007

    • 著者名/発表者名
      八杉 貞雄
    • 総ページ数
      66-74
    • 出版者
      日本医学館
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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