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2008 年度 実績報告書

複合尤度を用いた巨大分子系統樹推定技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18570217
研究機関首都大学東京

研究代表者

田村 浩一郎  首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 教授 (00254144)

キーワード分子系統樹 / 複合尤度 / 進化距離 / 分子進化 / 最尤法 / 近隣結合法 / 系統解析 / 配列データ
研究概要

ゲノムプロジェクトを始めとする近年の分子生物学の発展により、大量のDNA・タンパク質配列データが遺伝子データバンクに蓄積されるに至った。分子系統樹の必要性はもはや系統分類学的解析だけにとどまらず、遺伝子ファミリーやゲノムの進化、遺伝子機能の進化学的解析、進化発生学など様々な分野で利用されるようになった。現在、分子系統樹推定の方法論は、主に理論的側面に長ける最尤法と計算効率に長ける近隣結合法に二分される。そこで、最尤法の優れた点を近隣結合法に導入することにより、大量配列データの解析にも使用できる新たな分子系統樹推定法の開発を試みた。具体的には、すでに開発済みの複合尤度(composite likelihood)を用いた最尤法により、距離行列を構成する全ての2配列間距離を一括推定する方法をさらに発展させた。
平成20年度は、平成19年度中に開始したコンピュータ・シミュレーションを用いた最尤法との比較を行った。66種の哺乳類について448タンパク質コード遺伝子の配列データをシミュレートし、それらを用いて系統樹を推定することにより、系統樹推定の精度を評価した。その結果、最尤法の系統樹推定エラーは、平均して複合尤度法と近隣結合法を組み合わせて推定した場合の29〜89%であった。この系統樹推定精度の差は、配列の長さに対して依存度が高く、配列が長い場合に最尤法の優位性が高くなる顕著な傾向が見られた。一方、複合尤度法は、系統樹の枝長推定には長けており、最尤法のための初期値の計算に用いることにより、最尤法の計算時間を大幅に短縮できることが分かった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] MEGA : A biologist-centric software for evolutionary analysis of DNA and protein sequences2008

    • 著者名/発表者名
      Kumar S, Nei M, Dudley J, Tamura K.
    • 雑誌名

      Briefings in Bioinformatics 9

      ページ: 299-306

    • 査読あり
  • [学会発表] MEGA4による分子系統解析2008

    • 著者名/発表者名
      田村浩一郎
    • 学会等名
      日本進化学会
    • 発表場所
      東京大学駒場キャンパス
    • 年月日
      2008-08-24
  • [学会発表] 巨大系統樹推定のための最尤法の適用2008

    • 著者名/発表者名
      田村浩一郎
    • 学会等名
      日本進化学会
    • 発表場所
      東京大学駒場キャンパス
    • 年月日
      2008-08-22

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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