研究課題
イネの分げつ芽の伸長の抑制が原因で少分げつに至る突然変異体6種(rcn1〜rcn6)を用いて分げつ芽伸長に関わる遺伝子の同定とその機能解析を進めた。本年度は、分げつ芽伸長に必須なRon1がイネの第3染色体上の新奇のABC (ATP-binding Cassette)タンパク質OsABCG5をコードすることを同定した。続いてRcn1が分げつ芽のほか、冠根原基と根の中心柱と内鞘で発現、することを確認した。ストリゴラクトンの受容に関わるとされるD3遺伝子との二重変異体rcn1 d3の分げつ芽活性が両変異体の中間となったことから、Rcn1がストリゴラクトンを介した分げつ芽伸長制御経路と独立に機能することが示された(Yasuno et.al., 2009)。これまでにABCタンパク質が植物の枝分かれに関わる報告はなく、ABCタンパク質の新たな機能解明に向けた実験系になるものと期待される。さらに、根の発達における機能解析にも着手し、学会発表した。Rcn4については、ストリゴラクトン合成に関わるD10遺伝子との二重変異体rcn4 d10を作出し、表現型を精査した。その結果、二重変異体の分げつ芽の伸長活性は、両変異体の中間となったことから、Rcn4がD10とは独立の経路で機能することが遺伝学的に示された(Ariyaratne et.al., 2009)。Rcn2からRcn6の遺伝マップの作成と詳細化を進め、このうち2種のRcn遺伝子の候補ゲノム領域のDNAシーケンス解析に着手した。
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Plant Science 176
ページ: 744-748
New Pytologist 182
ページ: 91-101
http://www.obihiro.ac.jp/ichiran/kato_kiyoaki.html