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2006 年度 実績報告書

サヤダイコンの低温発芽性制御の遺伝的メカニズム解析

研究課題

研究課題/領域番号 18580008
研究種目

基盤研究(C)

研究機関日本大学

研究代表者

野村 和成  日本大学, 生物資源科学部, 教授 (90139048)

キーワード育種学 / 遺伝資源 / ストレス耐性 / 遺伝子発現
研究概要

サヤダイコンの一品種パッキフッドならびに日本で栽培されるダイコン品種を用いて,種子形成期から発芽期における遺伝子発現のパターンと発芽の低温に対する反応を解析することにより,低温発芽能に関連する遺伝子を検索し,開花に対する低温要求性との関係について検討した.開花30日後の種子水分含量は両品種とも約80%であった.パッキフッドではその後は低下し続け,60日後に9%,聖護院では50〜60日後に停滞がみられ70日に9%にまで低下した.分岐枝基部の葉の葉緑素含量変化をSPAD値により測定した.分岐枝基部の花の開花20日後まではほぼ一定の値を保った.パッキフッドではその後急激に低下し,45日後には緑色は完全に失われた.聖護院では徐々に低下し,45日後でもわずかに緑色が保持された.ABA合成の律速酵素NCED遺伝子の種子成熟期間における発現をRT-PCRによって検出した.パッキフッドは開花直後から40日後まで,聖護院では60日後まで発現が認められ,その後は発現がみられなかった.イムノアッセーにより開花後各時期の種子中のABA量を測定した.両品種とも開花直後極めて多量のABAが認められ,30日後まで急激に減少した後,パッキフッドでは40日後,聖護院では60日後に増加のピークが認められた.開花10日後から80日後まで10日ごとに種子を採取し,25ならびに3℃におけるシャーレー湿室内での発芽率を調査した.パッキフッドでは,25℃において,開花30日後の種子でわずかに発芽が認められ,発芽率は徐々に上昇し,80日後に80%以上の発芽率となった.3℃においては,80日後まで高い発芽率を示さなかった.一方,聖護院では,25℃において開花30日後から高い発芽率を示した.以上の結果から,ダイコン種子内のABA量は種子の乾燥とともに増加し,その後の減少と葉の黄化の進展とには密接な関連が認められるが,発芽能の獲得ならびにパッキフッドの低温発芽能の獲得はABA量の変化では説明できないことが示された.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Factors controlling seed germinability of rat's tail radish (Raphanus sativus L.) cv. Pakki-hood at a low temperature.2006

    • 著者名/発表者名
      Nomura, K., Uesugi, T., Tateishi, A., Shishido, R., Yoneda, K.
    • 雑誌名

      Jpn. J. Trop. Agr. 50

      ページ: 29-35

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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