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2007 年度 実績報告書

花色変異に関わる新規トランスポゾンの解析

研究課題

研究課題/領域番号 18580010
研究機関財団法人岩手生物工学研究センター

研究代表者

西原 昌宏  岩手生物工学研究センター, 細胞工学研究部, 主席研究員 (20390883)

キーワードリンドウ / トランスポゾン / 花色変異 / F3'5'H / ピンク花 / 白花 / レトロトランスポゾン / 転移因子
研究概要

リンドウの花色変異体及び懸濁培養細胞を用いて新規トランスポゾンの同定、解析試験を行い、以下の成果を得た。1.昨年度、ピンク花リンドウのフラボノイド3',5'水酸化酵素(F3'5'H)遺伝子の第1イントロン内に322bpのDNA型トランスポゾン配列の特徴を有する挿入断片を同定した。本年度、発現解析を行った結果、本ピンク花リンドウにおいては花弁におけるF3'5'H遺伝子の発現量が減少しており、本配列の挿入により変異が引き起こされたものと推察された。また、RT-PCR法によるF3'5'H遺伝子転写産物の解析結果から、トランスポゾン配列の部分断片を含む異常なスプライシング産物の蓄積が確認され、本トランスポゾンの挿入が直接ピンク花化に関わっていることが推察された。2.昨年度、白花リンドウにおいて花弁着色に関わると推定されるMyb遺伝子の第2エキソンに271bpのDNA型トランスポゾン挿入断片を同定した。本年度、他の白花リンドウ品種において、本Myb遺伝子のゲノム構造を解析したところ、新たに異なるDNA型トランスポゾン様配列の挿入が確認された。3.リンドウ懸濁培養細胞から新規トランスポゾンの単離を試み、hAT、En/Spm型トランスポゾンについて、タンパク質をコードする遺伝子断片をそれぞれ2種類ずつ単離した。また、RNA型についても1種類のLTR型レトロトランスポゾンを同定した。5-azadC、サリチル酸、ジャスモン酸による誘導性を解析した結果、一部で転写誘導が認められた。今後、同定した誘導条件を用いてトランスポゾンディスプレイ法等により、転移活性を解析する予定である。
以上、今回の解析結果から、リンドウにおいて新規トランスポゾンが複数単離された。今後、これらトランスポゾンの解析を進めることにより、植物におけるトランスポゾンの進化、転位機構が明らかにできると考えられる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Cloning and characterization of the UDP-glucose:anthocyanin 5-O-glucosyltransferase gene from blue-flowered gentian2008

    • 著者名/発表者名
      中塚 貴司, ら
    • 雑誌名

      Journal of Experimental Botany 59

      ページ: 1241-1252

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Flower color modification of gentian plants by RNAi-mediated gene silencing2008

    • 著者名/発表者名
      中塚 貴司, ら
    • 雑誌名

      Plant Biotechnology 25

      ページ: 61-68

    • 査読あり
  • [学会発表] 遺伝子組換えによる花色デザイン技術の開発-モデル植物からリンドウまで-2007

    • 著者名/発表者名
      西原昌宏
    • 学会等名
      岩手生工研・花きCRES-Tプロ合同シンポジウム2007
    • 発表場所
      岩手県農業研究センター(北上市)
    • 年月日
      2007-09-12
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] 遺伝子組換え技術のリンドウへの適用にあたって-特殊性をいかに克服するか2007

    • 著者名/発表者名
      西原昌宏
    • 学会等名
      第25回植物細胞分子生物学会大会シンポジウム
    • 発表場所
      千葉大学工学部(千葉市)
    • 年月日
      2007-08-09
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] リンドウ花弁からのアントシアニン5位配糖化酵素遺伝子の単離と解析2007

    • 著者名/発表者名
      中塚貴司, ら
    • 学会等名
      第25回植物細胞分子生物学会大会シンポジウム
    • 発表場所
      千葉大学工学部(千葉市)
    • 年月日
      2007-08-09
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [図書] Gentians:From gene cloning to molecular breeding.In'Floricultural and Ornamental Biotechnology V'2008

    • 著者名/発表者名
      西原 昌宏, ら
    • 総ページ数
      57-67
    • 出版者
      Global Science Books,UK
  • [備考]

    • URL

      http://www.ibrc.or.jp

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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