研究概要 |
本研究では、本年度まず汎用的な植物位相的構造と幾何的構造の記述モデルの開発および三次元可視化を行った。植物形状は,基本的な位相的(topological)構造モデルの上に,幾何的(geometrical)構造モデルが加わりモデリングが行われる。基本的な位相構造のモデル化は,葉・<葉の集合体<枝<数次にわたる枝の集合体<樹木に,樹木を分け,構造モデルを作成し記述した。位相構造に記述方法としては,簡単のために,葉と枝をひとつの単位として,樹木を表すモデルを作成した。これらのモデルは,Object orientedな記述方法が非常に適しており,C++言語により,クラスの作成を行うことによりソフトウェア開発を行った。また,次の段階の光合成生産モデルの例として,葉と枝を一つの単位と考え,楕円球で近似した形状の受光量から,枝の各単位の受光量を求め,それによる光合成量などを予測するモデルを作成した。以上のような樹木個体のモデルの作成後,個体間の競争のシミュレーションを,簡単化した個体群モデルにより行った。以上より,本研究の目的の一つである環境応答なども解析できる植物形状成長モデルの構築の基礎的な部分が構築できた。モデル作成と並行して,植物形状測定手法の開発も行った。現実の測定データの取得は,リアルなモデル作成に不可欠であり,効率的な植物形状の三次元形状の計測も同様に重要であるため,計測が用意な画像データから三次元形状を再構成する手法を開発した。以上のようなシミュレーションや形状測定の結果である植物形状の三次元形状の可視化には,可視化されたデータがインターネット上でも公開可能であることなどを考慮して,VRML (Virtual Reality Modeling Language)を用いた。また,景観用画像のコンピュータグラフィックス作成手法としては,レイトレーシングで画像作成を行った.
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