研究概要 |
本研究では,本年度汎用的な植物位相的構造と幾何的構造の記述モデルの開発および三次元可視化を行った。植物形状は,基本的な位相的(topological)構造モデルの上に,幾何的(geometorical)構造モデルが加わりモデリングが行われる。植物形状のモデリングを行う場合,第一に基本的な位相構造のモデル化を行う必要がある。前年度は,植物の受光量の計算のため主軸と一時軸からなる単純な位相構造について,計算できるモデルを作成したが,本年度は,この位相構造に幾何構造を付け加え,植物の具体的な形状をコンピュータグラフィックスで描画できるようにし,受光量に応じた植物の形状変化を視覚的に表すことができるようにした。本年度は,より実用的な景観モデル作成のための手法開発を行った。環境条件が異なる場合の樹木の形状がどのように異なるかについて研究した。北海道を対象地として,蓄積された樹木のデータ(樹種,胸高直径など)とさまざまな気象,地形条件についてのパラメータとの関連から,樹木の生長率,枯死率について統計的なモデルを作成し,パラメータのメッシュマップを作成することにより,あらゆる場所での樹木生長予測ができるようにした。また,予測を行うと同時に,景観の可視化も行った。景観用画像のコンピュータグラフィックス作成手法としては,VRML(VirtualRealityModelingLanguage)を用いた。これにより,ある程度植物形状モデルと物質生産モデルとを一体化が可能となった。
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