研究課題/領域番号 |
18580034
|
研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
岩堀 修一 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (00012055)
|
研究分担者 |
小塩 海平 東京農業大学, 国際食料情報学部, 准教授 (50318177)
菅谷 純子 筑波大学, 生命環境科学研究科, 講師 (90302372)
|
キーワード | マンゴー果実 / 成熟 / エチレン / ACC合成酵素 / ACC酸化酵素 / 遺伝子発現 |
研究概要 |
マンゴー果実はクライマクテリック果実であり、熱帯果樹のため低温障害を受けるので、その貯蔵方法が問題となっている。そこで、マンゴー果実の成熟過程におけるエチレン生合成の制御機構を明らかにするため実験を行った。 樹上で商業的成熟に達したマンゴー果実を採取し、13℃と20℃の下で貯蔵し、経時的に呼吸とエチレン発生を調べ、さらにエチレン生成のキー酵素である1-aminocyclopropance-1-carboxylic acid(ACC)合成酵素およびACC酸化酵素の活性の変化、これら酵素をコードする遺伝子発現を調べた。呼吸クライマテリック・ピークは13℃貯蔵果で収穫後6日後に20℃貯蔵果で収穫8日後にみられた。エチレン発生のピークは13℃で2日後認められ、一方20℃ではエチレン発生は4日後から徐々に上昇を続け、12日後にピークに達した。ACC合成酵素、ACC酸化酵素の活性はともに13℃では2日後に、20℃では8日後にピークに達した後、減少した。このように貯蔵温度はエチレン生合成のキー酵素の活性を通じて果実よりのエチレン生成に影響を及ぼし、このことが果実成熟、老化に影響を及ぼしていると考えられた。ACC合成酵素およびACC酸化酵素の遺伝子の発現についてそれぞれの遺伝子に特異的なプライマーを構築し、定量PCRを行った結果、両遺伝子の発現上昇は酵素活性の上昇に先立っており、発現レベルはともに20℃より13℃のほうが高かった。
|