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2006 年度 実績報告書

カイコ発生卵における脂肪滴含有状態の超微形態学的検討

研究課題

研究課題/領域番号 18580051
研究種目

基盤研究(C)

研究機関浜松医科大学

研究代表者

山濱 由美  浜松医科大学, 医学部, 教務員 (90242784)

研究分担者 熊切 葉子  浜松医科大学, 実験実習機器センター, 技術専門職員 (20397409)
キーワードカイコ / 卵 / 胚発生 / 脂肪滴 / 脂肪染色 / 電子顕微鏡観察 / 高圧凍結・凍結置換法
研究概要

昆虫の胚発生を支える栄養分・エネルギー供給機構を明らかにすることは、胚発生現象全般の理解に極めて重要である。特に栄養分などの発生に伴う位置情報は重要だが、従来の形態学的手法では、試料作製過程での脂肪滴の大量流失等により、卵内の栄養成分の局在を正しく把握できなかった。本研究では、脂肪滴含有率の高いカイコ卵を用い、脂肪滴が保持された状態の発生卵の超微形態観察法を開発し、胚発生における脂肪滴の経時的位置情報を明確にさせる方法を検討している。
卵の脂肪滴含有状態を電顕観察するために、高圧凍結・凍結置換法による試料作製方法を検討した。高圧凍結装置は奈良女子大に設置の機器(Leica EM-PACT)を用い、凍結試料を液体窒素に入れた状態で浜松医大に持ち帰り、本科研費補助金で導入した凍結置換装置(Leica EM-AFS)により凍結置換し、樹脂包埋による試料作製を行った。高圧凍結は、試料台等の制約により当初予定した卵殻付きでの卵の凍結は不可能であったが、試料台の改良や凍結前の卵殻除去等、種々の検討の結果、発生卵の卵黄細胞に含まれる脂肪滴とその周辺構造を非常に良好な状態で観察することに成功した。従って、フリーズフラクチャー・レプリカ法による検討は当面不要となり、高圧凍結・凍結置換法による研究を促進している。
上記研究に平行して、カイロ卵の凍結切片を作製し、発生過程での脂肪滴の局在変化についてオイル赤染色法を用いて組織化学的に検討した。胚発生当初、卵黄細胞に含まれていた脂肪滴は、胚に取り込まれた後に発生過程後半で使われることを形態学的に明らかにした。また、脂肪滴は、blastokinesis以前、dorsal closure期、点青期の三段階に分けて胚に取り込まれるが、各段階で異なった取り込み方法をとることを発見した。この成果は目本蚕糸学会第77回大会で報告し、現在、論文投稿準備中である。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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