研究課題/領域番号 |
18580062
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
康 峪梅 高知大学, 農学部, 准教授 (70284429)
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研究分担者 |
岩崎 貢三 高知大学, 農学部, 教授 (40193718)
田中 壮太 高知大学, 大学院・黒潮圏海洋科学研究科, 助教 (10304669)
桜井 克年 高知大学, 農学部, 教授 (90192088)
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キーワード | 菌根菌 / ヘビノネゴザ / スズシロソウ / 根圏 / 重金属 |
研究概要 |
鉱山土壌では、日本シダの一種であるヘビノネゴザはアブラナ科のスズシロソウと群落を形成する。ヘビノネゴザは重金属(鉛、カドミウム)を超集積すると同時にヒ素をも集積することが明らかとなった。一方、スズシロソウは亜鉛とカドミウムを超集積することが分かった。この二種類の植物は同一群落に生育しながら、異なる元素を集積し分けている。また、ヘビノネゴザの根部における菌根感染を予備的に調べたところ、土壌中に高濃度のヒ素・重金属が含まれているにもかかわらず、比較的高い菌根感染が確認された。スズシロソウは独自で菌根形成をしないが、ヘビノネゴザと群落をつくることによって、菌根形成をするかあるいは何らかの形でヘビノネゴザの菌根の影響を受けているものと考えられる。本研究では菌根菌の影響を調べるために、生野鉱山から採取した土壌を滅菌、非滅菌にし、(1)ヘビノネゴザのみを定植する区、(2)スズシロソウのみを定植する区、そして(3)ヘビノネゴザとスズシロソウを同時に定植する区で栽培試験を行った。)その結果、ヘビノネゴザのCd、Cu、Pb、Zn、As、P含有率は、地上部・根部ともに処理区間に明確な差が認められなく、生野鉱山土壌における菌根菌のヘビノネゴザのCd、Cu、Pb、Zn、As、P吸収・集積への寄与については明らかではなかった。これは主に現地から採取した苗に土壌が付着していたために菌根菌なしの区でも菌根感染が発生したことが原因だと考えられる。また、スズシロソウのCd、Cu、Pb、Zn、As、P含有率も、地上部・根部ともに処理区間に明確な差が認められなかった。
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