研究課題
リコンビナーゼによるゲノムの再編により、歯周病原性細菌Eikenella corrodensの溶血活性や上皮細胞への付着能などの病原性が上昇することを明らかにした。リコンビナーゼ遺伝子導入株のタイプ4線毛遺伝子領域をクローニングし、その塩基配列を解析した。その結果、リコンビナーゼ遺伝子導入株では線毛遺伝子領域内に別の線毛遺伝子の挿入が起こっていることがわかった。また、その組換えの起きた線毛遺伝子領域は他の臨床分離株で報告されているものとほぼ同一であった。したがって、このようなリコンビナーゼによるゲノムの組換えが起こり、口腔内で高病原化株が出現している可能性が示唆された。そこで、ゲノムの組換えが起こった株をリアルタイムPCRによる検出方法を検討し、確立した。この方法を応用して、組換え株の検出頻度と病原性との相関を調べていきたい。一方、クオラムセンシングを制御するオートインデューサーをE.corrodensの培養上清から精製し、GC-MSなどで解析を行った。精製したオートインデューサーを本菌の培養液に加え、バイオフィルム形成に及ぼす影響を調べた。その結果、オートインデューサーが本菌のバイオフィルム形成を促進することを明らかにした。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (19件)
Journal of Endodontics 34
ページ: 826-829
Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry 72
ページ: 1523-1530
実験医学(羊土社) 26
ページ: 945-949