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2006 年度 実績報告書

真菌におけるチューブリン代謝機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 18580081
研究種目

基盤研究(C)

研究機関大阪市立大学

研究代表者

藤田 憲一  大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10285281)

研究分担者 田中 俊雄  大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10137185)
臼杵 克之助  大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (30244651)
キーワード真菌 / 出芽酵母 / 儀菌糸形成 / 細胞骨格 / 微小管 / チューブリン
研究概要

本研究では、イソアミルアルコール(IAA)によって誘導される偽菌糸において微小管の単量体分子であるチューブリン総量が相対的に減少するという現象を見いだしており、さらにそのチューブリン減少機構を明らかにすることを目的としている。
IAAの存在下で出芽酵母BY4741株を培養すると偽菌糸型細胞が誘導された。このとき、細胞分裂が完全に停止するが、細胞容積の増加は続いており、従って、細胞白体の伸張成長は停止していないことが分かった。次いで、細胞の形態が偽菌糸へと変化するときに起こっていると想定される細胞骨格系へのIAAの影響について調べた。ウェスタンおよびFACS解析の結果、偽菌糸形成時においては細胞内全タンパク質に対する微小管の単量体であるα-およびβ-チューブリンの相対量が低下することが明らかになった。また、チューブリン総量の減少にもかかわらず、顕微鏡下では紡錘体の顕著な消失は観察されず、染色体分配は一見、正常に進行しているように観察された。しかし、IAA処理酵母では未処理の酵母より娘細胞への染色体の分配に遅れが見られた。さらにチューブリン消失の原因を転写阻害・翻訳阻害・分解促進の3点から調べた。IAAによってmRNAへの転写阻害が引き起こされているかをRT-PCR法によって調べたが、TUB1,TUB2,TUB3全てのチューブリン遺伝子においてmRNAの発現量にコントロールとの差違は認められなかった。また、IAAによってチューブリンの分解が促進されているかを調べるため、タンパク質の特異的分解機構であるユビキチン-プロテアソーム系について免疫沈降法を用いて調べたが、チューブリンはユビキチン化されていなかった。加えて、チューブリンを特異的に分解するような酵素の誘導産生も確認されなかった。翻訳過程に対するIAAの影響については次年度の課題として残された。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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