研究課題
基盤研究(C)
枯草菌のレスポンスレギュレーターDegUと対になるセンサーキナーゼDegSは、いわゆる2成分制御系を構成している。DegU支配下にある遺伝子sacB, bpr, fla/cheについて、各種の欠失と塩基置換をプロモーターに持つlacZ fusionを作成し、発現を調べた。さらに、リン酸化型DegUを精製し、footprint実験を行ったところ、以下の知見を得た。DegUはcomKプロモーターではGNCATTTAが逆向きに繰り返した配列に結合する。sacBでは、GNCATTTA配列が直列に2回繰り返した配列がリン酸化型DegUによる制御にとって重要だった。bprには、この2回直列繰り返し配列が3組あり、いずれもリン酸化型DegUによる制御に重要だった。さらに本研究で、fla/cheは、非リン酸化型DegUによって正に制御されている事が見いだされた。非リン酸化型DegUはfla/cheの制御領域に存在する2カ所の配列(BR1;binding region 1とBR2)に結合した。両方の配列ともGNCATTTAの逆向き繰り返し配列だった。興味深い事に、BR1へのDgUの結合はリン酸化していないときのみに観察され、DegSによりDegUをリン酸化するとBR1への結合が解除された。BR2にはこの傾向は見られず、リン酸化の有無にかかわらず結合が観察された。DegUはリン酸化されるとsacB, bprを含む多くの遺伝子を活性化し、リン酸化されていないとcomKとfla/cheを活性化する。従って、リン酸化型DegUと非リン酸化型DegUがどのようにして標的を区別しているか?という問題は、DegU認識配列の配置の違いにあると考えられた。すなわち、非リン酸化型DegUはhead-to-head型の逆向き繰り返し配列を認識し、リン酸化型DegUは直列に配置されたGNCATTTA配列を認識して結合する。この考えを検証するため、sacBの直列2回繰り返し配列をcomK型のhead-to-head型逆向き繰り返し配列に改変したプロモーターlacZ fusionを作成した。すると、改変型sacB-lacZ fusionはdegSを破壊してもdegS+の場合の80%程度発現した。この事は、改変型fusionの発現はリン酸化型DegUではなく、非リン酸化型DeUに依存するようになった事を意味するので、上記仮説が検証されたと考えられる。
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