研究課題
基盤研究(C)
好酸好熱性古細菌Sulfolobus tokodaiiの2-オキソ酸:フェレドキシン酸化還元酵素のなかで、ピルビン酸とケトグルタル酸の両方を基質とすることが出来る酵素PKORについて、(1)X線結晶構造解析法によってヘテロダイマー複合体としての立体構造を明らかにするために、結晶化条件の探索を行い、また、(2)基質の一つであるCoA(補酵素A)の結合部位を明らかにするための、反応性CoA類似化合物を用いた親和性標識法による、残基の特定を目的として実験を行った。(1)については、新たに作成した発現ベクターを用いて酵素の大量発現を行い、結晶化条件のスクリーニングを行って、PEG3350を沈殿剤として、分解能2.8Aまで回折する結晶が得られた。(2)については、NBD-F(4-fluoro-7-nitrobenzofurazan)が、PKORのCoA結合部位に共有結合すること、この結合はb-サブユニットでおこり、その結果b-サブユニットに蛍光が観察されることがわかった。そこで、ラベルされたb-サブユニットをSDS存在下に単離し、プロテアーゼ処理して得られたポリペプチド断片の混合物を逆相HPLCにかけて、蛍光性断片を分離した。そのアミノ酸配列解析から、蛍光性断片の画分は2種類のポリペプチドの混合物であること、その一つはラベルされる残基の候補として125番目のリジンを、もう一つは173番目のリジンを含んでいることが分かった。これらのリジンをアラニンに変異させた置換体を作成したところ、K125Aは野生型に比べてCoAに対するKmが大きく増加し、またNBD-Fによってもほとんど失活しないことから、リジン125がCoAの結合部位であると結論した。
すべて 2006
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日本蛋白質科学会講演プログラム・要旨集
ページ: 2P069
International Conference on Extremophiles, Book of Abstracts
ページ: 67