研究課題/領域番号 |
18580095
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用生物化学
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
野坂 和人 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (10228314)
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研究分担者 |
今野 博行 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (50325247)
ONOZUKA Mari Kyoto Pref. Univ. Med., Grad. Sch. Med. Sci., Assistant Prof. (50325247)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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キーワード | チアミン / チアミンピロリン酸 / 情報伝達 / 転写調節 / 酵母 |
研究概要 |
酵母S.cerevisiaeのチアミン生合成や取り込みに関与する酵素群(THI genes)の発現はチアミン欠乏下で誘導される(THI調節系)-。本調節系の細胞内シグナルはチアミンピロリン酸(TPP)であり、3種のタンパク質Thi2p、Thi3p、Pdc2pがTHI genesの発現に必要な調節因子として同定されている。Thi2pとPdc2pはDNA結合活性を持つことが示唆され、Thi3pはTPPセンサーとしての役割も持っている。本研究では、各調節タンパク質の機能を解析し、酵母がチアミンに応答して転写制御するまでの情報伝達経路を決定することとを目的としている。 前年度の結果から、Pdc2pには転写活性化活性とThi3pと結合する活性が存在し、いずれの作用もチアミン欠乏条件下で上昇することが明らかになった。そこで、種々の領域が欠失したPdc2pタンパク質を作製し、Pdc2pの機能領域の同定を試みた。その結果、Pdc2p(926aa)の407-581aaが転写活性化領域、581-889aaがThi3pとの相互作用に必要な領域であることが酵母one-hybrid法ならびにtwo-hybrid法によって示唆された。また、Pdc2pの転写活性化活性thi3破壊株で低下したが、Thi3pとの相互作用領域を除くとこのthi3欠損による影響は消失した。さらに、組み換えPdc2p(407-581)とPdc2p(407-926)タンパク質に唯一存在するTrp-450残基の蛍光を利用したアクリルアミドによる消光減衰実験では、582-926aa領域が除かれることでTrp-450が溶媒に接触しやすくなることが観察された。以上より、Thi3pと結合することでPdc2pの構造変化がおこり、その転写活性化領域がタンパク質表面に露出するものと考えられた。
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