研究課題
本課題期間では、生体内で重要な情報伝達を担う生物活性天然有機化合物、複合糖質関連化合物を主たる標的物質とし、天然界から動植物の生物生産によって容易かつ大量に得られる原料や発酵生産産物などに出発原料を求め、資源効率のよい合成を試みた。合成の鍵段階は、新しい機能、特色を持つ酵素(生物資源触媒)反応であり、これを探索開拓した。本研究には、酵素触媒の基質の分子設計、および新規酵素のスグリーニングという両方の側面が重要であった。具体的には、「立体障害が非常に大きいカルボニル化合物を不斉還元する微生物酵素の探索と応用」に、以下のような成果を得た。前年度、カルボニル基にイソプロピル基、そして芳香環を有する側鎖が置換した基質を設定し、これを不斉還元する微生物酵素の探索により得られた微生物菌株4種が得られたので、分子の深い内部にアルキンと共役したカルボニル基が位置するケトンなど、関連する基質の還元を試みた。4菌株のうちP.minutaにより良好な反応性が示された。得られたプロパルギルアルコールは、別途、他種の微生物不斉還元により調製したキラルシントンを組み合わせ、十員環ラクトン天然物、modiolideAの全合成を達成した。
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Tetrahedron Letters 48
ページ: 979-983
Tetrahedron 63
ページ: 8752-8760