研究課題
基盤研究(C)
1)メチルグリコシド糖供与体を用いた糖と糖のグリコシル化反応研究マイクロ波照射によってメチルグリコシド体のアノマー位アセタール基におけるグリコシド結合が選択的に活性化される知見を基に、オリゴ糖合成への展開を計った。糖受容体に酸に強いオクチルグリコシド誘導体を、糖供与体にメチルグリコシド体を用いたが、本条件下では安定なはずのオクチルグリコシド誘導体由来の副産物が多く観察され、2糖体を得ることはできなかった。現在、他の様々な条件を検討中である。2)低温下でマイクロ波照射したグリコシル化反応の検討ルイスX3糖誘導体合成において、グルコサミン誘導体3位に先にフコース誘導体を導入すると、4位にガラクトースが導入されにくいことは既に報告されているが、低温下でマイクロ波照射すると、高収率で本反応が進行することを明らかにした。(Shimizuら、投稿中)3)生理活性物質である様々な糖ペプチド体の合成マイクロ波照射によってより簡便に糖ペプチド体が合成されうる基礎知見をもとに、さらに大きな糖ペプチド体の合成をおこなった。ターゲットとしてMUC1糖タンパクの繰り返し構造である、20残基ペプチドの5箇所にそれぞれ6糖体を持つ糖ペプチド体を設定し、実際に合成に成功した。(Matsushitaら、2006)また、癌エピトープ部分の解明を指向した糖ペプチドフォーカストライブラリーの調製も行った。(Ohyabuら、2006)4)その他合成したオリゴ糖のバリエーションを増やすべく、有効な糖転移酵素の調製をおこなった。微生物由来のN-アセチルグルコサミン転移酵素(GnT)は非常に活性が高く、基質選択性も特異なものであった。(Naruchiら、2006)。また、マイクロ波は金表面には均一に照射しやすいことが知られている。そこで、金ナノ粒子上での糖鎖伸長反応を検討した。(Shinmizuら、2007)
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