研究課題
1)メチルグリコシド糖供与体を用いた糖と糖のグリコシル化反応研究昨年度に発表した成果を受けてオリゴ糖への合成を目指したが、良い結果を得ることはできなかった。しかし、今度の創薬シーズ開発への展開を指向して、ステロイドなどの生理活性物質への糖鎖修飾反応の検討をすすめた。2)低温下でマイクロ波照射したグリコシル化反応の検討近年「加熱効果でないマイクロ波存在を否定」する論文がKeppaより発表された。しかし本研究項目に関して昨年度得た知見は、実験的な面でのマイクロ波効果の存在を支持している。この点をより精査し、検討をすすめた。本研究項目はマイクロ波効果の実体に迫るもので、今後のマイクロ波利用合成研究の方向性の指南になると考えている。3)生理活性物質である様々な糖ペプチドの合成糖ペプチドは多官能基化合物で、主に加熱手段として用いられているマイクロ波は糖ペプチド合成には不向きとされこれまで利用されていなかった。昨年度までの糖ペプチド合成の効率化結果を踏まえ、今年度はマイクロ波利用糖ペプチド合成装置の開発に着手した。またp3ペプチド体の糖鎖認識構造研究をすすめ、成果を論文などで報告した。4)固定化試薬の開発とそのマイクロ波を用いたグリコシル化反応への応用化学反応のグリーン化の一環として重金属などの有倍物質の環境への排出を防止すべく、重金属触媒を固定化した試薬の開発と、糖鎖連結反応などへの応用研究をすすめた。今後も精力的にこの研究をすすめている所存である。5)その他酵素反応におけるマイクロ波効果について検討した。マイクロ波照射下、加水分解酵素によるラクトースのアセチル保護体の脱保護反応をすすめ、反応の促進、選択性を研究した。関連して、難溶性擬似糖脂質に対する酵素反応進行・促進のため、シクロデキストリン添加効果研究をすすめ、成果を論文などで報告した。
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Carbohydr.Res 342
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高分子論文集 64
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Tetrahedron Lett 49(掲載確定)
ページ: doi:10.1016/j.tetlet.2008.03.103