研究課題
基盤研究(C)
平成18年度は主にin vitroパーキンソン病モデルとしてストレス負荷培養神経細胞を用いた抗パーキンソン病評価系の構築を行った。本研究課題の遂行に当たり、パーキンソン病研究のドーパミンニューロンモデルとして研究に用いられているヒト神経芽細胞腫由来SH-SY5Y細胞(ATCCより入手)を使用した。SH-SY5Y細胞はレチノイン酸処理によりドーパミンニューロンに分化する。この細胞株を本研究でのモデル神経細胞として使用した。1.ドーパミンニゴーロンへの酸化ストレス負荷による細胞障害の誘導と障害評価酸化ストレスの負荷方法として、NO発生剤であるSIN-1処理やSNP処理などをSH-SY5Y細胞に行った。その結果生じる細胞障害に関して、細胞の生存率をWST-1法により評価した。また細胞のアポトーシスに関してはカスパーゼの活性化状態をイムノブロッティングにより評価した。本項目では候補機能性食品がSIN-1またはSNP処理に由来する細胞障害への抑制効果を評価した。2.ドーパミンニューロンへのタンパク質品質管理機能質賦活効果の検討タンパク質品質管理機能において重要な役割を果たす、ユビキチン・ペルオキシソーム系の機能評価にあたり、ペルオキシソーム系阻害剤MG-132処理を行い細胞のタンパク質品質管理機能への負荷を与える系を構築した。本項目では候補機能性食品がMG-132処理に由来する細胞障害への抑制効果を評価した。3.ドーパミンニューロンへの抗酸化ストレス負荷およびタンパク質品質管理機能質賦活化物質の検討各々の細胞評価系において効果を有する機能性食品候補として、電解および天然還元水、発酵乳ケフィア、そして酵素消化フコイダン抽出物に関して網羅的な検討を進めている段階である。各候補食品中の活性成分に関して、ゲルろ過、イオン交換クロマトグラフィ、そして逆相HPLCにより単離・同定を行っていく予定である。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (2件)
Cytotechnology (in press)
Bioscience, Biotechnology and Biochemistry 70・4
ページ: 966-970