レンチオニンのex vivoにおける血小板凝集抑制作用の検討 レンチオニンを経口摂取した場合でも血小板凝集抑制作用を示すか否かを明らかとするため、ラットにレンチオニンを経口胃内投与し、血小板凝集抑制作用を測定した。その結果、レンチオニンは経口胃内投与後、8〜20時間後において、コントロールに対し有意に血小板凝集を抑制したことから、レンチオニンは経口摂取した場合においても血小板凝集抑制作用を示すことが明らかとなった。さらに、レンチオニンは体内に吸収されるとしばらくの間血中に留まり、血小板を破壊することなく血小板凝集抑制作用を示し、徐々に代謝されて効果を失っていくものであることが示唆された。 レンチオニンは経口摂取しても肝機能に障害を与えていないことが示され、レンチオニンは生体への毒性を示さず、血小板凝集抑制作用を発揮することが明らかとなった。 レンチオニンの投与量を変化させ、レンチオニンが血小板凝集抑制作用を示す最低投与量を検討したところ、レンチオニンは1mg/kg以上の投与量でコントロールに対し有意に血小板凝集を抑制した。経口胃内投与した1mg/kgのレンチオニンが全て吸収され、血中に存在すると仮定すると、血中濃度は約9.2×10^<-5>Mとなり、in vitroにおいてレンチオニンがヒト多血小板血漿に対して血小板凝集抑制作用を示す濃度とほぼ同様の値であったことから、レンチオニンは体内の消化器官で分解されることなく吸収されて血中に至ることが示唆された。このことから、レンチオニンを1mg/kg摂取することで十分に血小板凝集抑制作用を示すことが明らかとなった。
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