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2008 年度 実績報告書

個体レベルから見たブナの種子生産とその地域間比較=豊凶予測と貯蔵技術への応用=

研究課題

研究課題/領域番号 18580138
研究機関山形大学

研究代表者

小山 浩正  山形大学, 農学部, 准教授 (10344821)

研究分担者 清和 研二  東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (40261474)
キーワードブナ / 豊凶 / 種子 / 雌花序痕 / 開花履歴
研究概要

ブナの結実は5〜7年に1度とされ、虫害回避のための適応と理解されている。しかし、実際には結実年の間に中規模な開花がみとめられる。中規模開花は繁殖成功確率を低めるので、豊凶性進化のみならず森林の更新作業にも影響を及ぼす。中規模開花の原因は、1) 林分全体の個体が同様に開花を起こす場合と、2) 特定の個体が開花する場合が考えられる。このため、個体をベースの観察を実施した。この結果、中規模開花は後者のパターンであることが分かった。こうした特定個体は、豊作年にも他と同調する傾向があることから、より頻繁に開花する個体と言える。このような個体は、資源的に余裕のあるものと考えられるので、サイズの違いを検討した結果、大きな個体ほど開花回数が多い傾向がみとめられたが、統計的に有意な違いではなかった。さらに、北海道のブナ林において、気象データと開花頻度の関係を個体ごとに調べたが、個体間の違いを説明するような要因は検出されなかった。本研究においては、さらに、従来北海道のブナ林で開発された豊凶予測手法が東北のブナ林においても適用可能であるか検討した結果、東北のブナ林においてより当てはまりがよい豊凶予測手法を開発した。さらに、豊作年以降の種子散布量、実生発生、齧歯類による捕食を調べ、ブナの更新には、種子を保護する積雪が齧歯類からの捕食を防いで更新に貢献していることが示された。このことは、ブナが日本海側の豪雪地域でブナが優占する原因のひとつであると考えられた。これらの成果は、東北森林科学会、日本林学会で発表し、および日本林学会誌、森林立地、書籍において報告した。現在も投稿準備中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 山形県におけるブナの豊凶予測の開発2009

    • 著者名/発表者名
      松井太郎・小山浩正・伊藤聡・高橋教夫
    • 雑誌名

      森林立地 51(印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 豪雪地帯ブナ林における母樹からの距離に応じた当年生実生の発生数-種子捕食に対する積雪の保護効果の検証-2008

    • 著者名/発表者名
      小山浩正・竹内華純・高橋教夫・石井健
    • 雑誌名

      日本林学会誌 90

      ページ: 309-312

    • 査読あり
  • [学会発表] Masting in beech forest (Fagus crenata Blume) based on individual flowering behavior analysis2008

    • 著者名/発表者名
      Koyama, H., Oyama, T., Takahashi, N.
    • 学会等名
      The 8^<th> IUFRO International Beech Symposium
    • 発表場所
      北海道七飯町
    • 年月日
      2008-09-10
  • [学会発表] Relationship between leaf production and nut production in beech secondary forest2008

    • 著者名/発表者名
      Terada,H., Takahashi,N., and Koyama, H
    • 学会等名
      Joint International Symposium on Toward the Establishment of Multi-purpose and Long-term Forest Management Plants by Taiwan and Japan
    • 発表場所
      山形県鶴岡市
    • 年月日
      2008-08-27
  • [図書] ブナ林再生の応用生態学(寺澤和彦・小山浩正編著)第7章 : 豊凶予測の発展型-どこでもできる予測手法-2008

    • 著者名/発表者名
      小山浩正
    • 総ページ数
      310
    • 出版者
      文一総合出版社

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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