研究課題/領域番号 |
18580139
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
梅木 清 千葉大学, 大学院自然科学研究科, 助教授 (50376365)
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研究分担者 |
本條 毅 千葉大学, 園芸学部, 教授 (60173655)
林 恩美 千葉大学, 大学院自然科学研究科, 助手 (60376366)
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キーワード | 森林生態・保護・保全 / 森林管理・政策 / モデル化 / 樹種別サイズ分布動態 / 地理情報システム |
研究概要 |
北海道有林固定成長量測定地の測定データから樹木の成長・枯死の解析に適した天然林を選択し、樹木個体の成長・枯死が解析できるようにデータを整備した。樹木の成長・枯死に影響を与える物理的要因として気象・地形・地質・土壌をとりあげた。気象に関しては気象庁作成の3次メッシュ(1kmメッシュ)の平年気候値を利用した。地形・地質・土壌に関しては国土地理院の国土数値地図を利用した。地形に関しては50mDEMから傾斜、斜面方位、露出度、平均傾斜度、集水域面積、海岸距離を解析した。 線型混合モデルによって成長速度を樹種ごとに解析し、モデル化した。目的変数は成長速度、説明変数は当該個体の初期サイズ、物理的環境の変数(上述)、個体間競争の指数(Yokozawa & Hara (1992)に準拠した指数)とした。また、ロジスティック回帰によって枯死率を樹種ごとモデル化した。目的変数は枯死率、説明変数は当該個体の初期サイズ、物理的環境の変数、個体間競争の指数とした。 作成した成長・枯死のモデルを基礎に、森林の樹種別サイズ分布動態モデルを作成した。北海道三笠町で長期観察したミズナラ林のサイズ分布動態のデータを使用して、モデルの精度を評価した。1978年に実測した樹種別サイズ分布を初期値として与え、本研究で作成した樹種別サイズ分布動態モデルによって1999年の樹種別サイズ分布を予測した。モデルによって予測された樹種別サイズ分布は1999年に実測した樹種別サイズ分布とよく合致した。これにより樹種別サイズ分布動態モデルの精度が満足のいくものであることが示された。 また、本研究の目的である北海道天然林の動態理解のため、ウダイカンバ天然林の成長と林分葉量・葉のフェノロジーとの関係を解析した。この結果を論文にして出版した。
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