研究概要 |
本研究の目的は、人工衛星や航空機センサデータから、森林資源の自動分類技術を開発することである。19年度は、観測波長帯(バンド)が衛星と同様の4バンド(RGB、IR)を持つ高解像度センサから、信州大学演習林のヒノキ、スギ、アカマツ、カラマツの針葉樹人工林を対象に自動分類技術の開発を行った。 1)立木本数の自動抽出、単木の樹冠抽出を自動で行う方法、樹冠の抽出方法について取り組んだ。いずれの技術も日本で取り組まれていないことから、研究室の大学院生への技術指導、全国の若手研究者のための画像解析セミナーを夏休みに開催した(参加者30名)。 2)研究成果の公表は雑誌論文が13編である。国内外の学会で積極的に行っており、専門分野である日本森林学会で発表した。国際電気電子学会:国際地理学とリモートセンシング連合学会(IEEE,IGARSS)に申込み、講演採択され、20年度7月にアメリカのボストンで講演予定である。 3)研究の実用化を目指し、研究成果から森林内を単木レベルで樹種別の樹冠配置が分かること、放置された人工林に侵入生育する広葉樹も分かることから、災害に弱く、放置された不健全な人工林の管理や生育状況の監視への適用を試みている。 4)本手法をもとに、産官学連携の共同研究、JSTのシーズ研究への申請を行う計画である。日本宇宙航空研究開発機構(JAXA)が打ち上げた国産衛星ALOS(だいち)を用いて、本手法を用いた人工衛星センサによる森林環境計測を先駆的に行っている。
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