野生動物による農林業被害を、生息環境(餌条件)、個体数(利用度)、被害防止策(防護柵)の3つを組み合わせて管理する総合的管理の在り方を検討した。人工林の生育段階における餌量を推定し、餌量と皮剥ぎ被害との間に関係が見いだされた。また、利用密度として、付加された糞塊数が植生への影響を評価するのに有効であることが示唆された。野生動物の総合的管理に関する研究はほとんどないが、被害防止策の効率や経済性に関する研究がいくつかみられた。それらの研究のレビューを含め、野生動物の総合的管理に関する研究ついて、国内外の現状および本研究で示された成果の位置づけをまとめた。
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