研究概要 |
島根県および大阪府で狩猟期(11月〜2月)および非狩猟期(3月〜10月)に有害捕獲および狩猟により捕獲された野生イノシシおよび野生シカのロース肉およびモモ肉について、一般成分(水分、粗蛋白質、粗脂肪、灰分)および栄養成分(α-トコフェロール、CoQ10)を調査検討した。 野生イノシシロース肉(雄:狩猟期n=8,非狩猟期n=8、雌:狩猟期n=6,非狩猟期n=4)の一般成分に、狩猟期と非狩猟期において性及び捕獲期による差はなかった。 次いで、非狩猟期の野生イノシシロース肉のα-トコフェロールおよびCoQ10について調べた結果、それぞれ0.51±0.11mg/100g、3.16±1.01mg/100g含まれていることがわかった。また、市販の豚肉との比較より、両成分とも非狩猟期の野生イノシシでは飼育豚に比べ含量が高いことが示唆された(p<0.05)。また、これらの成分含量に捕獲方法(箱わな、囲いわな)および性の差はみられなかった。 一方、狩猟期の野生イノシシモモ肉のα-トコフェロールおよびCoQ10の含量は、0.55±0.95mg/100gおよび8.01±1.62mg/100gであった。さらに、非狩猟期の野生シカロース肉(n=5)のα-トコフェロールおよびCoQ10の含量は、0.59±0.07mg/100gおよび3.72±1.39mg/100gであった。これらと非狩猟期の野生イノシシと飼育豚のロース肉との比較では、α-トコフェロールでは、豚よりも野生シカおよびイノシシが高く(p<0.05)、CoQ10では、豚よりも野生シカが高かった(p<0.05)。
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