研究課題/領域番号 |
18580162
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高野 俊幸 京都大学, 農学研究科, 准教授 (50335303)
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研究分担者 |
中坪 文明 京都大学, 農学研究科, 教授 (10027170)
上高原 浩 京都大学, 農学研究科, 助教 (10293911)
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キーワード | リグニン / DHP / 脱水素重合 / 酵素重合 / 2次元重合 / モノリグノール / シナピルアルコール / キノメタイド |
研究概要 |
モノリグノールに親水性官能基を導入した場合については、昨年度モノリグノール配糖体の脱水素重合は、基本的にモノリグノールの脱水素重合挙動を反映することを明らかにした。そこで、モノリグノールの脱水素重合のモデル反応として、モノリグノール配糖体のUVスペクトルによる経時分析による詳細な重合挙動の解析を行った。その結果、重合中間体であるキノメタイド中間体のモニタリングに成功し、且つシナピルアルコールの脱水素重合が効率よく進行しない理由の一つとして、キノメタイド中間体の低い反応性があることを新たに見出した。後者に関しては、適切な求核試薬の存在下で、シナピルアルコールを重合させると高収率に重合が進行することを見出し、その化学的裏付けにも成功した。なお、モノリグノール配糖体由来のDHPの親水性官能基(グルコース基)の除去は、グルコシダーゼによる酵素分解では定量的に進行せず、親水性官能基による不斉誘導については確認できなかった。一方、モノリグノールに疎水性官能基を導入した場合については、モデル反応として、フェルラ酸オクチルのミセル重合について検討した。そのミセル重合の脱保護後(オクチル基の除去後)のDHPは、フェルラ酸の通常の脱水素重合によるDHPとは異なる化学構造であることが判明し、疎水性置換基のDHPの化学構造への大きな影響が認められた。
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