研究課題/領域番号 |
18580166
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
橘 燦郎 愛媛大学, 農学部, 教授 (10112319)
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研究分担者 |
伊藤 和貴 愛媛大学, 農学部, 准教授 (50253323)
二宮 生夫 愛媛大学, 農学部, 教授 (80172732)
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キーワード | 汚染土壌の浄化 / 微生物製剤 / 酵素製剤 / 白色腐朽菌 / ダイオキシン類 / 環境ホルモン / ダイオキシン汚染土壌 |
研究概要 |
本研究ではダイオキシン分解菌及びその菌からの粗酵素により調製した微生物製剤、酵素製剤を用いてダイオキシン類などの環境ホルモンに汚染された土壌や汚染水、および焼却灰の浄化条件について検討し浄化法の開発を行った。また、汚染土壌の製剤処理による土着微生物や作物栽培への影響を調べた。1.製剤添加量、処理期間などを検討し、微生物製剤を用いる環境ホルモン、ダイオキシン汚染土壌の浄化法を開発した。その方法により、環境ホルモン(DDT)汚染土壌が浄化(84%)できた(5%製剤添加、30日処理)。また、ダイオキシン(2、8-DCDD、2、4、8-TCDF)汚染土壌も浄化(35〜66%)できた(2〜5%製剤添加、30日処理)。さらに効率のよい浄化法の開発が課題と考えられた。2.酵素製剤を用いる環境ホルモン、ダイオキシン汚染土壌や汚染水の浄化法を開発した。これにより環境ホルモン(DDT)汚染土壌、ダイオキシン(TCB)汚染土壌を浄化(15%、27%、15日処理)できた。また、環境ホルモン(DDT)汚染水、ダイオキシン(TCB))汚染水を短期間で浄化(35%、26%、3日処理)できた。更に、酵素製剤中の酵素の安定化因子を解明し、酵素の安定化をはかると共に、素製剤の分解能を評価する方法も開発した。また、酵素製剤は少なくとも2回再使用できることも見出した。しかし、さらに効率のよい浄化法の開発が課題と考えられた。3.pH緩衝能を持つ土壤と一種の界面活性剤を微生物製剤処理時に添加する焼却灰浄化法を開発した。この方法により、焼却灰を浄化法(38%、TEQ換算)できた(30日処理)。しかし、焼却灰の高pHによる酵素の失活のため、酵素製剤を用いる焼却灰の浄化法は開発できなかった。アルカリ側での酵素の安定化の検討とさらに効率の良い浄化法の開発が課題と考えられた。4.微生物製剤及び酵素製剤で処理した土壌の土着微生物や作物栽培への影響を調べた。浄化処理による土着微生物数や土壌微生物活性に関与するとされるデヒドロゲナーゼ活性への影響は認められなかった。また、これらの製剤処理による作物栽培への影響も認められなかった。
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