研究概要 |
1)マングローブの抗腫瘍活性 マングローブ樹種の中で抗腫瘍活性の高いヤエヤマヒルギ樹皮メタノール抽出物の酢酸エチル画分を7週齢ICRマウスにSarcoma-180腫瘍細胞を接種した担癌マウスの腹腔内に約10週間にわたって投与したところ、マウス〉の生存率では有意な延命効果は得られなかったが、腫瘍の転移および腫瘍容積においては抑制効果が見られた。メタノール抽出物、酢酸エチル抽出物をカラムクロマトグラフィーで分画した2フラクション、酢酸エチル画分についてRAW-264.7細胞のNO産生量に及ぼす影響を検討した。その結果、高濃度暴露では低濃度暴露にNO産生量は低く、暴露濃度低くなるにつれて生産量は増加した。SephadexLH-20カラムクロマトグラフィーにより分画した10フラクションについて腹腔内マクロファージのNO産生量にに及ぼす影響を検射した。10画分中9画分(Fr.2-9)ではNO産生量はカテキンを上回り、Fr.2.7及び9ではカテキンの約2倍であった。 2)マングローブの抗酸化 DPPHラジカル消去活性の高いヤエヤマヒルギ樹皮メタノール抽出物をカラムクロマトグラフィー(CC)、固相抽出、HW-40CCを組み合わせ(+)catechin(1),(-)epcatechin(2), cinchonain II a(3), cincona in II b(4), cinchonaina(6), cinconain II a(9), glabrosideA(7), glabraosideB(8), (+)catechin3-0-α-L-rhamnoside(5)を単離し、^<13>C,^1H-NMR,ESI-MS,UV,IRで同定した。これらの化合物の中でDPPH消去活性は7>EGCg>4>3>8>6>9>1>2>5であり、Catechol構造を有する化合物の活性が高い。また、ブタノール画分からはクロロゲン酸を単離した。
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