竹繊維からピンとプレートを作製し、それらを木質構造物の接合に使用した。アルカリ処理したマダケ材から長繊維を櫛で掻き取り、残渣として絡み合った繊維を得た。絡みあった繊維を1cm長さに切断し、短繊維を得た。イソシアネート系の接着剤を含浸した長繊維を治具内に一軸配向させて挿入し、その治具を熱圧プレスで圧縮し、繊維配向材料を作製し、それより長さ260mm、φ12のピンを調製した。一方、イソシアネート系の接着剤を含浸した長繊維と同じ接着剤を噴霧した繊維をマット成形用の木枠内に交互に積層して得られたマットを熱圧プレスで圧縮し、5層および3層のプレートを得た。φ12の丸ピンについて三点曲げ試験を行った結果、強度は368MPa、ヤング率は54GPa であった。このピンの曲げ強度は、軟鋼のそれに匹敵した。カラマツ集成材の両側にカラマツ集成材の副材を置き、これらに上下2つの穴あけ、φ12の2本のピン挿入し、ピンの二面せん断試験を行った。ピンの降伏耐力、最大荷重、初期剛性および吸収エネルギーは、それぞれ6.8kN、12.4kN、1.84kN/mmおよび173Jであった。調製したプレートに1列にφ12およびφ16の2つの穴を設け、それらに金属のピンを挿入し、プレートのせん断試験を行った結果、破壊した後の荷重低下が少なく、大きな塑性率を示した。カラマツ集成材の土台と柱の接合において、プレートを1枚または2枚を挿入し、ピンを柱および士台にそれぞれ2本を使用し、接合性能試験を行った。プレートが1枚または2枚の場合の降伏荷重は、それぞれ11.4kNおよび20.1kNであった。プレート2枚の場合はZマーク金物のT字型金物の降伏荷重である12kN以上であった。
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