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2006 年度 実績報告書

培養系を用いた魚類の性転換機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 18580172
研究種目

基盤研究(C)

研究機関北海道大学

研究代表者

東藤 孝  北海道大学, 大学院水産科学研究院, 助教授 (60303111)

研究分担者 中村 將  琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 教授 (10101734)
キーワード性転換 / 器官培養 / 性ホルモン / アポトーシス / 卵巣 / 精巣 / ベラ科魚類
研究概要

雌性先熟型の性転換を行うミツボシキュウセン(Halichoeres trimaculatus)では、卵巣器官培養系において卵巣から精巣への転換を誘導できることが報告されている。しかし、これまでの培養系では培地にウシ胎児血清が添加されていたため、性転換に関わる因子の正確な解析は困難であった。そこで先ず、本種の卵巣器官培養系を再検討した。0.5%ウシ血清アルブミン(BSA)または10%ウシ胎児血清(FBS)を添加したL-15培地を基本とした培養液に、17α-メチルテストステロン(MT)または11-ケトテストステロン(11KT)を3nMの濃度で添加した群、ホルモン未添加の対照群を設け、ミツボシキュウセンから採取した卵巣片を26℃で2-3週間培養した。その結果、BSA添加培地でも、FBS添加培地と遜色なく培養組織が良好に維持され、精子形成の進行も認められた。また、対照群とアンドロゲン添加群の全てにおいて卵母細胞が退行し精子形成が誘起されたが、アンドロゲン添加ではより活発な精子形成が認められた。この結果を受けて、以後の培養にはBSA添加培地を用いることとした。次に、様々な濃度(1nM-1μM)のMTまたは11KTの効果を調べるとともに、エストラジオール-17β(E2)の影響についても検討した。アンドロゲンの効果は濃度依存的に認められたが、100nMのMTで最も高い効果が見られた。また、E2添加により、卵母細胞の退行は比較的維持され、精子形成も認められなかった。さらに、卵巣から精巣への転換におけるアポトーシスの関わりについて調べたところ、卵母細胞の退行はアポトーシスによるものであることが示唆され、その退行もアンドロゲンにより促進されることが示された。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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