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2007 年度 実績報告書

内湾域における休眠期細胞形成性植物プランクトンの生態戦略に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18580180
研究機関三重大学

研究代表者

石川 輝  三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 准教授 (00273350)

キーワード植物プランクトン / 珪藻類 / 渦鞭毛藻類 / 休眠期細胞 / 栄養細胞 / 発芽 / 英虞湾
研究概要

時空間的に環境の変化が激しい沿岸、内湾を生息場としている植物プランクトンの中には,生活史の一時期に休眠して不適な環境を海底上で生残するステージ(以下,"休眠期細胞"と呼ぶ)を持つ種が多く知られている。休眠期細胞は栄養細胞増殖の種(たね)としての役割を果たすため,そういった種の生態を解明するためには,プランクトン群を構成する栄養細胞の季節消長だけでなく,海底に存在する休眠期細胞の発芽動態に関する研究が必要である。本研究では,典型的な内湾域である三重県英虞湾をモデル海域として,同湾における植物プランクトンの現場海底からの発芽を季節的に追跡し,同時に栄養細胞の季節消長を調べることによって,様々な種における個体群形成機構ならびに生態戦略を明らかにすることを目指す。
上記の研究目的のため,今年度は昨年度に引き続き,英虞湾内に設けた一定点において,以前開発した「プランクトン発生捕捉チャンバー」を用いた海底からの発芽細胞の実測調査を継続して行った。また,水柱中にプランクトン群として出現する栄養細胞の季節消長も調べた。同時に,水温、塩分や水中光強度,溶存酸素,栄養塩といった物理、化学的環境要因を測定した。調査頻度は毎月1回であった。発芽調査を行った結果,これまでに珪藻類で16属28種,渦鞭毛藻類で10属23種の海底からの発芽を捉えることに成功している.珪藻類と渦鞭毛藻類で最も多く見られた分類群は,それぞれChaetoceros属とProtoperidinium属であった。
来年度は,これまでに得られたサンプルの観察を進めるとともに,さらに同様の調査を夏季まで継続する。併せてデータの解析を行い,様々な植物プランクトンにおける休眠期細胞の発芽挙動と栄養細胞の季節的消長,さらには両者(発芽と栄養細胞)の数的関係を明らかにし,最終的に上記研究目的を達成する予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Development of the "plankton emergence trap/chamber(PET Chamber)",a new sampling device to collect in situ germinating cells from cysts of microalgae in surface sediments of coastal waters.2007

    • 著者名/発表者名
      Akira Ishikawa, Mayuko Hattori, Ichiro Imai
    • 雑誌名

      Harmful Algae 6

      ページ: 301-307

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 伊勢湾および三河湾の海底泥表層におけるAlexandrium属シストの現存量と分布2007

    • 著者名/発表者名
      石川 輝・服部 真由子・宮間 秀樹・今井 一郎
    • 雑誌名

      水産海洋研究 71

      ページ: 183-189

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 有害有毒赤潮生物のシスト発芽研究における進展と将来展望2007

    • 著者名/発表者名
      石川 輝・石井 健一郎
    • 雑誌名

      海洋と生物 29

      ページ: 411-417

  • [学会発表] Plankton Emergence Trap/Chamber(PET.Chamber)を用いて海底から供給される植物プランクトンを検出する2007

    • 著者名/発表者名
      石井 健一郎・石川 輝・上野 亮子・今井 一郎
    • 学会等名
      日本水産学会近畿支部
    • 発表場所
      京都大学農学部
    • 年月日
      2007-12-01
  • [学会発表] 有毒渦鞭毛藻Alexandrium catenellaの増殖速度と現場水柱中での増矩機構2007

    • 著者名/発表者名
      石川 輝・寺西 央旭・畑 直亜・白石 智孝・今井 一郎
    • 学会等名
      日本ベントス学会・日本プランクトン学会合同大会
    • 発表場所
      横浜市立大学
    • 年月日
      2007-09-22
  • [学会発表] 三重県英虞湾の海底から"plankton emergence trap/chamber(PETChamber)"を用いて検出された珪藻及び渦鞭毛藻について2007

    • 著者名/発表者名
      石井 健一郎・石川 輝・上野 亮子・寺西 央旭・今井 一郎
    • 学会等名
      日本ベントス学会・日本プランクトン学会合同大会
    • 発表場所
      横浜市立大学
    • 年月日
      2007-09-22
  • [学会発表] 熊本県宮野河内湾における有毒渦鞭毛藻AIexandrium catenellaとGymodinium catenatumの季節消長2007

    • 著者名/発表者名
      堀江 俊輔・杉浦 裕幸・石川 輝
    • 学会等名
      日本ベントス学会・日本プランクトン学会合同大会
    • 発表場所
      横浜市立大学
    • 年月日
      2007-09-22
  • [図書] 海洋プランクトン生態学第2章植物プランクトンの生態-生活史, 群集構造, 増殖特性の観点から 2-1シスト形成渦鞭毛藻の生態戦略(執筆分担箇所)2008

    • 著者名/発表者名
      石川 輝
    • 総ページ数
      335
    • 出版者
      成山堂

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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