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2007 年度 実績報告書

生物時計と潮汐によるサンゴ礁棲ベラ類の産卵時刻あわせ

研究課題

研究課題/領域番号 18580189
研究機関琉球大学

研究代表者

竹村 明洋  琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 准教授 (40222103)

研究分担者 吉岡 英二  神戸山手大学, 人文学部, 教授 (80211655)
キーワードサンゴ礁 / 潮汐 / 生物時計 / ミツボシキュウセン / 産卵 / 組織学 / ステロイドホルモン
研究概要

本研究は潮汐と生物時計がサンゴ礁棲ベラ類ミツボシキュウセンの産卵周期に及ぼす影響を調べることを目的としている。本年度は沖縄本島北部のサンゴ礁でミツボシキュウセンを潮汐にあわせて採集して生殖腺体指数(GSI)、卵巣組織像、及び卵巣におけるステロイドホルモン産生(17α,20β,21-trihydroxy-4-pregnen-3-one;20β-S)の変化をそれぞれ調べた。また本種の夜間の潜砂活動と産卵時刻の決定の関連を調べた。午前に採集したミツボシキュウセンの卵巣は潮汐性の卵巣発達を示し、満潮に向けて卵母細胞の成熟が進行した。生体外培養した卵巣片からの20β-Sの産生は満潮に向けて高くなり、このホルモンが卵成熟と関連を持つことが示唆された。ミツボシキュウセンを07:00、09:00、12:00、14:00、および17:00の満潮に採集して卵巣を組織学的に観察した結果、午前から昼にかけての満潮(09:00および12:00)では産卵前の様相を呈して成熟期にある卵母細胞が観察されたが、午後の満潮(14:00および17:00)では産卵後の卵巣状態を示すものが多かった。これらの結果から、潜砂した魚が卵成熟を開始する環境刺激が夜の前半と後半では異なる可能性が考えられた。すなわち、夜間の前半では潮汐性の刺激が日周性の刺激よりも先に起こるため潮汐性が明確に現れて卵発達が進行するのに対し、夜間の後半では潮汐性の刺激が日周性の刺激よりも後に起こるため卵発達の進行は日周性が優先されるのかもしれない。
人為的な潮汐を与えて産卵を誘導することを研究実施計画に盛り込んだ。しかし、採取後のミツボシキュウセンの潜砂活動が採集した個体によってばらつきが生じたため、日周活動が定常的に行われたのは産卵期間後にずれ込んでしまい、この点の解明には至らなかった。飼育条件を検討して再度挑戦したいと考えている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] mRNA expression patterns for GH, PRL, SL, IGF-I and IGF-II during altered nutritional status in rabbitfish, Siganus guttatus.2007

    • 著者名/発表者名
      Ayson and Takemura
    • 雑誌名

      General and Comparative Endocrinology 150

      ページ: 196-204

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Diurnal and circadian regulation of a melatonin receptor, MT1, in the golden rabbitfish, Siganus guttatus.2007

    • 著者名/発表者名
      Park, et. al.
    • 雑誌名

      General and Comparative Endocrinology 150

      ページ: 253-262

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Role of tidal cycle in gonadal development and spawning of the tropical wrasse Halichoeres trimaculatus

    • 著者名/発表者名
      Takemura, et. al.
    • 雑誌名

      Zoological Science (印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] 熱帯性ベラ類の潜砂行動と潮汐性産卵2007

    • 著者名/発表者名
      竹村, 他
    • 学会等名
      平成19年度日本水産学会春季大会
    • 発表場所
      東京海洋大学
    • 年月日
      2007-03-29
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [図書] サンゴ礁に潜む月世界2008

    • 著者名/発表者名
      竹村明洋
    • 出版者
      東海大学出版会(印刷中)
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [備考]

    • URL

      http://www.takemura-lab.jp/

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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