研究概要 |
従来の農業経済研究においては,国あるいは地域レベルで食料不足やフードセキュリティの問題が頻繁に取り上げられてきた。その一方で,世帯レベルでのフードセキュリティ,とくに低所得層の栄養・食料摂取状況に関する社会科学的な分析は意外なことにあまり行われていない。そこで本研究では,研究対象国あるいは地域の食料政策および食料需給バランスについて整理したうえで,所得水準等の諸要因にも配慮しつつ,とくに最近人的資本や物的資本では把握できない社会的要因として注目を集めている「ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)」の概念を援用しつつ,低所得層のフードセキュリティを規定する諸要因を解明することを主たる目的とする。 なお定量分析には,独自調査や国際機関等が実施した大規模標本調査の個票データを使用する。
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