研究分担者 |
大西 敏夫 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (90233212)
今堀 義洋 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (40254437)
内藤 重之 琉球大学, 農学部, 准教授 (30333397)
細川 允史 酪農学園大学, 酪農学部, 教授 (70295898)
細野 賢治 九州共立大学, 経済学部, 准教授 (90271428)
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研究概要 |
委託手数料率の自由化を控えて,多くの公設卸売市場においては,市場制度のあり方(公設制を堅持するか,民営化を選択するか等)を睨んだ検討が始まっている。そのなかでの生き残り策の一つとして,近隣に魅力的な青果物産地を擁する地方都市中央卸売市場の場合には,鮮度感のある地場野菜の短時間流通に取り組むなど地産地消型流通に対する卸売業者の関心は総じて高い。 本年度調査先である秋田市中央卸売市場[丸果秋田県青果]の"今朝採り地場野菜(午後販売)"は,卸売業者が主導的に短時間流通に対応する産地育成に取り組んだ事例である。提携・協力関係にある農協においても,系統出荷でありながらも個選・個別精算できる魅力に加えて,農産物直売所出荷(市場外流通)のように「残品引き取り」などの手間やロスが発生しない等の点で評価されており,出荷者数の拡大や多品目型作付の導入,消費者ニーズへの関心の高まりなど産地に変化が起こりつつある。小売サイドからも鮮度感のある個性化商品として概ね好評であるが,"今朝採り"表示の厳密さを小売段階でどこまで担保できるか,コーナー化できるだけのアイテム数の増加とロットの確保,配送の効率化など克服すべき課題も多い。行政的支援の方法も含めて,持続的なシステムとして展開するための工夫が必要である。 また,当初は大阪市中央卸売市場・東部市場の卸売業者・仲卸業者の協力を得て今年度に実施する予定であった短時間流通システムの優位性検証試験(朝採り直送便と仮想物流利用との比較)が,当該市場の再整備計画の進捗状況と関連して延期されたことから,本年度は最終年度での実施に向けて関係者との調整を行った。
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