研究分担者 |
大西 敏夫 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (90233212)
今堀 義洋 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (40254437)
内藤 重之 琉球大学, 農学部, 准教授 (30333397)
細川 允史 酪農学園大学, 酪農学部, 教授 (70295898)
細野 賢治 広島大学, 生物圏科学研究科, 准教授 (90271428)
|
研究概要 |
研究計画の最終年度である本年度は,前年度懸案課題の短時間流通における優位性検証試験(朝採り直送便と通常流通[仮想物流]との比較)を,生産者・仲卸業者・小売業者の協力をもとに実施した。その結果,(1)しなび及び鮮度,(2)色相角,(3)可溶性固形分については,「朝採り直送便」が「通常流通(仮想物流)」と比較して優れた結果を示したが,(4)クロロフィル含量,(5)還元型及び酸化型アスコルビン酸含量については,両者の差はほとんど認められなかった。むしろ“抗酸化作用"に関わる指標である(5)は,「通常流通(仮想物流)」の場合において高い数値を示した。これは,流通過程での取り扱いに起因するストレスが,検体の自衛本能を高めた結果起こる逆転現象であることも分かった。 また,地産地消型流通(今朝採り地場野菜)の構築に着手した秋田市中央卸売市場の取り組みに関して,システム構築の意義と普及拡大を目的とした補足調査を実施した。その結果,卸売業者主導による地産地消の意義として,(1)県内各地から多品目の新鮮・安心な野菜が品揃えされる,(2)直接あるいは仲卸業者を通じて多くの小売店等に供給される,(3)品質や需給に応じた適正な価格形成ができる,(4)生産から小売までの関係主体の連携と役割分担ができる等の積極的意義が認められる一方で,行政主導型システム(札幌,埼玉など)と比べた場合の課題として,(1)取組の認知度が低い(広報や広告・宣伝媒体への助成必要),(2)従来から関係のある農協・生産者以外からの出荷が少ない(行政との連携による新規出荷者の開拓が必要)などの問題が浮き彫りになった。
|