イモゴライトがアルカリ性で凝集するメカニズムについて検討した。モンモリロナイトやカオリナイトにイモゴライトを混合してその分散凝集挙動を測定すると共に、イモゴライトの電荷と電場の強さの関係をガウスの法則を基に考察した。その結果、イモゴライトはアルカリ性で負電荷を発現するが、粒子外表面ではその影響は無視できるほど弱くなると考察された。このことから、イモゴライトのイオン交換はパイプ状粒子の内部間隙で起こると考えられた。この結果を2006年度農業土木学会講演会で発表した。現在投稿論文にまとめている。 ハロイサイトに関して、霞ヶ浦ヘドロ中に比較的多く含まれるハロイサイトが霞ヶ浦湖水の白濁現象の原因となる可能性を調べた。霞ヶ浦周辺のハロイサイトは粒径が小さく高pHで負電荷を発現することから、霞ヶ浦湖水中では非常に分散し易く、一度分散すると長期間懸濁すること、および、その構造から他の粘土鉱物よりも光を強く散乱する性質を持つ事などにより、霞ヶ浦湖水白濁現象の原因物質としてハロイサイトの可能性が高い事を指摘した。結果を2006年農業土木学会講演会で発表した。また農業土木学会論文集に掲載された。 土の物理性から見た土壌中の粘土と有機物の機能を明らかにするために、土の撥水性の特徴を調べた。特に疎水性有機物の働き、粘土の機能、含水比による撥水性発現の違い、および撥水性の測定法を中心に基礎的な実験を行った。土の撥水性は、風乾前後の含水比の時に最も強くなり、含水比が高くても低すぎても低下すること、疎水性有機物が撥水性発現の原因になっていること、粘土が撥水性をコントロールする機能を持つことなどを明らかにした。その結果を2006年度農業土木学会講演会および土壌物理学会ポスターセッションで発表した。現在研究論文として投稿中である。
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