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2008 年度 実績報告書

農業地帯における人間活動と水環境・生態系の関係

研究課題

研究課題/領域番号 18580242
研究機関岐阜大学

研究代表者

平松 研  岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (90271014)

キーワード農業用排水路 / 水質 / 生態系
研究概要

本研究は,都市化や生活形態の変化などといった,いわゆる人間活動が,最終的に生態系や地域の水環境に対してどのような影響を持つのかといった,地域全体を有機的に表現するシステムの構築を目指している.昨年度までに,水環境に関する基礎データをもとに簡易なシステムダイナミクスモデルを作成するとともに,生物相を組み入れるためのエネルギー型の生態系モデル,地理情報を組み入れた物理的水文流出モデル,人口の移動や経済活動を含む社会モデルなどの構築を検討していたが,基礎データが不十分であることから,現地における調査を中心に研究を進めた.データ収集は年間20回を超える生態および水環境調査により行い,農業排水路内での生物相の変動がかなり明らかとなってきた.結果をまとめると,平成11年度より進められてきた水路改修により,メダカやカムルチーなどの産卵に植生が必要な魚類が減少し,モツゴやカダヤシ,コウライモロコなどの植生を必要としない魚類が増加するとともに,下流河川から大量のタイリクバラタナゴが侵入するといった魚類を中心とした生物種構成の変化が見られること,生物相の遷移は3から4年である程度の収束を見せること,魚溜工などの自然配慮型の工法が魚類の保全に効果があることなどが明らかとなってきた.また,水理環境は大幅に変化するが,水質などには大きな変化を与えていないことや,DNA解析を用いた分析により,改修が魚類の移動には大きな影響を与えていないこと,産卵適地が失われたフナなどの魚類が流れてきた藻類やゴミなどに産卵することにより繁殖を継続していることについても知見を得た.これらのデータおよび解析結果については,農業農村工学会論文集および日本雨水資源化学会誌に投稿中である.今後は,これらの生態系データおよび水路内の水環境と地域の情報とをうまく関連させることのできるモデルの構築が課題となる.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] アユの跳躍行動とプール水深について2009

    • 著者名/発表者名
      馬渕和三, 平松研, 板垣博
    • 雑誌名

      農業農村工学会論文集 No. 260(印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] Screening and Detection of Fish in a Still Picture Using SVM2008

    • 著者名/発表者名
      平松研
    • 学会等名
      Int. Symp. Lowland Technology
    • 発表場所
      Busan, Korea
    • 年月日
      2008-09-25

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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