研究課題/領域番号 |
18580248
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
三原 真智人 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (00256645)
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研究分担者 |
岡澤 宏 東京農業大学, 地域環境科学部, 講師 (30385504)
山路 永司 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (10143405)
金子 綾 東京農業大学, 地域環境科学部, 助手 (90408675)
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キーワード | アジアモンスーン / 土地利用 / 物質収支 / 水環境 / 生態 |
研究概要 |
本研究ではモンスーン気候地域を対象として、土壌、窒素やリン等の肥料成分、有機物における物質収支に基づいて、流域内の土地利用方式の評価とともに保全対策技術の検討を行い、土地利用方式や営農管理が生態系へ与える影響について検討した。 (1)土壌動物の生物多様度に基づいた生態系の評価:畑地圃場の客土履歴の有無および肥料施用と、Simpsonの多様度指数の逆数1/λおよびFisherの多様度指数α+1に基づいた中型土壌動物相の多様性との関連を調べた。客土履歴の有無による個体数・属数・多様度の差は見られなかったが、2種の多様度指数の差をとると、客土圃場ではSimpsonの多様度指数が大きく非客土圃場ではFisherの多様度指数が大きい傾向を示した。 (2)捕捉能から見た植生緩衝帯に関する検討:10cmから50cmの範囲内における植生幅の変化が、土壌および窒素・リン成分の捕捉特性に与える影響について検討した。試験枠の条件は下流端の植生帯(密度2,000stems/m^2)を除いて裸地とした。研究の結果、土壌および窒素・リン成分ともに,10cmから50cmの植生幅の範囲内では植生幅の増加に伴って捕捉能も増加する傾向を示したが、捕捉能における近似曲線の微分係数は植生幅に伴って減少する結果となった。以上の結果から、本実験ではOphiopogon japonicus Ker-Gawl.を用いた植生帯においては、20cm〜30cm程度の植生幅が適切であると判断できた。 (3)堆肥ペレット化に関する検討:人工降雨装置(現有施設)を備えた模型斜面ライシメータ(現有施設)に軽植土を充填し、堆肥、ペレット堆肥、化学肥料を同一量散布し、土壌、有機物、窒素成分の流出負荷を観測した。研究の結果、30mm/h以下の低い降雨強度では堆肥からの窒素流出量が最も低い結果となったが、45mm/hを越える高い降雨強度下では、有意水準99%でペレット堆肥からの土壌・有機物・窒素成分の流出が他の肥料を下回る結果となった。
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