研究課題/領域番号 |
18580249
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
駒村 正治 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (60078194)
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研究分担者 |
中村 好男 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (40078192)
中村 貴彦 東京農業大学, 地域環境科学部, 講師 (10287451)
金子 綾 東京農業大学, 地域環境科学部, 助手 (90408675)
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キーワード | 栄養充足 / 水循環 / 農業用ハウス / 雨水貯留 / 節水灌漑 |
研究概要 |
本研究では「人の生活・生命を支える安全で安心な作物の生産」を農業の目的と考え、そのため、(1)ヒトの栄養所要量を基準とした食物摂取量に基づいた農地面積および必要水量の算出、(2)雨水利用小規模節水灌漑システムを利用した水および土地資源の有効利用の検討、(3)循環システムの運営に必要な肥料成分の補給やエネルギー使用量など物質・エネルギー収支の観点からの評価を行う。 本年は主として畑地における雨水利用小規模節水灌漑システムにおける水収支について検討した。 1.雨水利用節水灌漑システムにおける降雨の水収支の検討 農業循環システムモデルに基づいて算出した用水量および作物・栽培面積を使用し、雨水利用節水灌漑システムにおける水収支についての検討結果から水使用量を推算し、実際の試験結果から有効性を検討した。その結果では、過去30年間の降雨記録から、一部の干ばつ年以外では十分に必要水量をまかなうことが可能であった。さらに不足する時期にはより節水灌漑による対応を提案した。 2.水循環システムの構築と水質浄化策の検討 雨水貯留および農業用排水の循環においては、用水・排水中に含まれる窒素等の移動が無視できないと考えられていることから、雨水の水質変化の検討を行い、貯留による水質保持を確認した。 3.投入エネルギー量の検討 ヒトの生存のための農地等の面積から、一般的と考えられる農業機械および施設設備の導入に伴うエネルギーおよびヒトの労働負荷を算出し、これに基づいて作成した農業循環システムモデルの評価を行い、労働に伴う生活運動強度についても検討した。その結果、わが国の農地面積からみて人口約3,200万人の食料供給が可能であり、江戸時代の自給生活可能であったことと対応している。
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