研究概要 |
本年度は,画像処理法とレーザスキャナを利用した樹木列と走行経路の検出,および車両運動のシミュレーションを中心に検討を行った。 樹木列のリアルタイムセンシング法の開発については,赤外線カメラを供試して画像を撮影することにより画像の1次処理を簡略化出来る可能性を見いだした。次に,解析時間短縮のために樹木列の解析対象領域を画像の中盤領域に絞り,雑草などのノイズ除去のために線形フィルタを利用して,原画像を平滑化した。次に,この平滑化した画像に対して閾値を定めて2値化した。この段階で画像上の雑草等による細かいノイズは比較的目立たなくなった。2値化した画像には樹木の幹部分と土壌の部分が黒画素になって混在している状態であったので,この画素に対して細線化処理を行った後,縦方向の下端の点をメモリし,得られた点列に対して最小二乗法を施し左右の樹木列線を得た。この樹木列線の中央部の点を結ぶことにより,自律移動ロボットの走行予測線とした。得られた結果は,平成18年9月に札幌で行われた国際学会にて発表した。次年度は,ロボットの姿勢角情報と組み合わせて基準軌道と走行予測線との相対誤差を算出できるようにし,ロボットの直進制御を行う予定である。 また,レーザスキャナを利用した樹木の検出については,塩ビのパイプを用いて仮想的な樹木列を作り,この樹木列の中央部を,レーザスキャナを設置した農用トラクタにて走行してデータを収録し解析した結果,比較的良好に樹木列を検出できる可能性を見いだした。次年度は,実際の圃場条件を供試しながら精度を検証し,カメラによる結果と合わせて,ハードウエアの制御に繋げていく予定である。 ロボットの操行制御法の開発については,樹木列の両端における旋回方法についてシミュレーションモデルを作成し検討を行った。次年度はパラメータの調整を行い,実車に組み込んでいく予定である。
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