研究概要 |
研究最終年度の本年度は,ベルトコンベア型妙り葉機の実用化に必要な基礎資料を得るために,(1)殺青に重点を置いた殺青機の試作および(2)品質評価システムによる殺青の評価手法の開発を行った。以下に概要を述べる。 殺青機の試作(1)では,2種類の殺青機を試作しそれぞれの性能試験を行った。1つは,昨年度試作したベルトコンベア型妙り葉機のセラミックプレートヒータを増設することで殺青処理のみに特化した連続式殺青機である。もう1つは,セラミックプレートヒータで挟まれた密閉空間へ一定量の茶葉を出し入れして殺青を行うことができる回分式殺青機である。両機では,茶葉がヒータからの熱で温められて乾燥されると同時に,その乾燥に伴って生じた自らの水蒸気により蒸される殺青が十分に行えること,並びに接触伝熱による焦げのない良好な品質の茶葉が得られた。また官能審査においても,香気以外の審査項目において従来と同等以上の品質を有することが確認できた。 一方妙り葉評価システム(2)では,殺青の良否判別を検討するため,「エビ」や「ムレ」が発生した低品質殺青の茶葉画像を上述の性能試験において取得して4表色系における平均葉色値を求め,良品との差異を見た。その結果,RGB表色系のG,HSV表色系のSおよびL*a*b*表色系のL*においてエビ発生時の階調値低下が見られ,判別可能であることがわかったもののムレの判別は困難であった。なお温度調節機構については,茶葉投入量に応じたヒータ温度とヒータ電圧の制御が必要であることがわかった。
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