研究課題
初年度に試作した潅水制御装置の基本となる蒸発散量算定装置の短波放射測定センサーは平板であるため、入射角に関する余弦則の制約を受ける。そこで、この平板型センサーに積分球の役目をするピンポン球を被せたもの、新たに試作された球形のフォトダイオード(京セミ製)、さらにそれを18球直列に接続したものについて比較測定した。その結果、理想的と考えられた球形フォトダイオードはたしかに、太陽高度が低くなっても出力が落ちないという特徴はあるものの、球形の製作上の問題であると思われるが、出力にバラツキがあり、太陽高度が低いときの方が大きく出る場合があること、さらにそれを平均化できると思われる18球の直列タイプでは出力が平均化されるより、バラツキが増幅される事が判明した。ピンポン球を被せたものは、出力も安定し、太陽高度が低いときにもほぼ法線面日射に近い出力が得られた。この結果、短波放射測定センサーとしては平板フォトダイオードにピンポン球を被せたものが最も良いという結論に達した。降雨後、どのタイミングで潅水を開始するかを決定するために、新たなセンサーを導入する方向で、土壌水分との関係を実験した。実験には2種類の市販されている雨滴センサー、試作された濡れセンサー、さらに2本のサーミスター温度センサーを用意し、一方は雨がかからないようにして、その温度差からタイミングを計る方式をテストした。土壌水分は電気出力付きのテンシオメータを使用した。土壌水分が降雨後圃場容水量に達するタイミングと各種の濡れセンサーの出力変化の関係を解析したが、十分な精度でのタイミングの決定は難しく、むしろ余分なセンサーを使用せず、蒸発散算定装置の出力から判定することが最適との結論に達した。
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Acta Horticulturae in press
ASABE Paper No.74020
ページ: 11p