研究概要 |
1.原材料の化学成分特性 イネ「チネリア・ママ」の乾物中成分含有率は、粗タンパク質(CP)、中性デタージェント繊維(NDF)および非繊維性炭水化物(NFC)が糊熟〜黄熟刈取時と黄熟〜完熟刈取時の間に大きな差異がなく、NFCが33〜34%であった。 枝豆茎葉残渣の乾物中成分含有率は、同一品種での収穫時期の遅延により、CPが低下(21〜16%)、NDFが増加(40〜44%)、NFCが増加(26〜28%)する傾向であった。 2.サイレージの発酵品質 イネ「チネリア・ママ」サイレージは、原材料付着乳酸菌培養液(FJLB)の添加によりpHの低下、乳酸含量の増加が認められ、品質が改善される傾向であった。FJLBの添加量(1%と5%)の違いによる品質の差異が小さかった。サイレージ抽出培養液(FJSE、1%)の添加による品質の改善が認められなかった。 枝豆茎葉残渣サイレージは、FJLBの添加によりpHが低くなり、乳酸含量が増加し,酪酸含量が著しく減少した。FJJBの添加量(0.5%、1%、5%、10%)の増加により乳酸含量が増加する傾向にあるものの、大きな差異ではなかった。FJSE(1%)の添加により品質が改善されなかった。 3.ルーメン内消化特性 イネ「チネリア・ママ」サイレージの48時間培養時の各消失率は、乾物とCPがFJLB添加による影響がなく、NDFがFJLB添加により高まる傾向であった。 枝豆茎葉残渣サイレージの乾物消失率は、各培養時間(3〜72時間)とも無添加、FJLIBおよびFJSEの処理間に大きな違いがなかった。48時間培養時の各試料を比較すると、アルファルファヘイキューブ>各処理枝豆茎葉残渣サイレージ>リードカナリーグラス乾草であった。 4.枝豆茎葉残渣の処理実態 サヤ収穫後の茎葉残渣はほとんどが廃棄処理されている状況にあり、処理に苦慮している実態が見受けられた。
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