枝豆茎葉残渣サイレージ(GSSS)については次のことが明らかとなった。 1.小型ロールベールGSSSの発酵品質は、各処理とも良くなく、原材料付着乳酸菌培養液(FJLB)の添加により改善した(pHの低下、乳酸含量の増加、酪酸含量の減少)。また、根の存在は発酵品質を低下させた。 2.給与飼料中の3割(乾物換算)を根なし・無添加または根あり・無添加の小型ロールベールGSSSを給与したヒツジの飼養試験の結果、根の有無は消化率、栄養価、ルーメン内性状(pH、各揮発性脂肪酸濃度)に及ぼす影響がないことが確認された。 3.ウシ(黒毛和種、雌)における小型ロールベールサイレージを供試した嗜好性試験から、各サイレージの嗜好性は、牧草サイレージが最も良かったが、糖蜜添加GSSSとの違いがほとんどなく、FJLB添加GSSS、無添加GSSSの順であった。 イネ「チネリア・ママ」サイレージは前年度調製の各処理(無添加、FJLB添加、サイレージ抽出培養液(FJSE)添加)サイレージによる長期の貯蔵試験(3、5および9ヶ月間貯蔵)から次のことが明らかとなった。 1.9月刈取サイレージにおいて、pHは貯蔵期間の経過とともに各処理とも高くなる傾向を示し、乳酸含量は各処理とも貯蔵期間の経過とともに減少し、すべての貯蔵期間でFJSE添加処理が1%以下と他の処理に比較して低かった。 2.10月刈取サイレージにおいて、pHは貯蔵期間の経過とともに各処理とも低くなる傾向であった。乳酸含量は貯蔵期間9ヶ月の各処理のサイレージが他の貯蔵期間よりも高く、FJSE添加処理が貯蔵期間の経過とともに増加した。 3.また、プロピオン酸含量は、各刈取時ともすべての貯蔵期間でFJSE添加処理が高く、10月刈取ではその傾向が顕著に認められた。酪酸含量は、各刈取時ともすべての貯蔵期間でFJSE添加処理が低い傾向であった。
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