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本研究は、幼稚園及び保育園の幼児を対象として、食農リテラシーを高め豊かな人間性を培うことができる家畜介在教育(Farm Animal Assisted Education for Children:FAAEC)の発展を目指して行った。食農リテラシーとは、人間生存の基本となる食とそれを可能とする農及び自然環境に関する認識、評価、実践を総合した能力のことであり、その能力を生命に対する認識とともに一体的に獲得するためには、畑作や稲作の体験だけではなく家畜介在教育が必要であると考える。本研究では幼稚園における家畜介在教育のモデル動物としてウサギを取り上げ、広島県内200の幼稚園を対象としたアンケート調査により、ウサギ飼育率、飼育状態および、動物を介在させた教育への取り組み状況を明らかにした。
その結果、適切な飼育法(繁殖コントロール、給餌内容、給餌回数、温度管理など)に関する理解が不足しており、近隣住民や保護者からの苦情を経験した幼稚園や、飼育に関して悩みや困ったことがあると回答した幼稚園も多かった。また、子どもたちを飼育に関わらせる以外の方法で教育に取り入れている幼稚園はなく、感染症を危惧し、どの程度触れ合わせてよいのか、といった悩みを持っている幼稚園もあり、飼育されている動物が十分に活用されているとはいえない現状であった。家畜介在教育(FAAEC)プログラム開発以前に、動物福祉及び幼児教育の両面から、これらの動物の飼育ガイドライン及び幼児のためのウサギを用いた動物介在教育プログラムの開発が急務であると考えられる。
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