研究課題
基盤研究(C)
プロバイオティクとして利用する細菌には抗菌物質の産生能がある方が望ましいとされるが、生体内でプロバイオティクの産生する抗菌物質が検出されたという報告はみられない。Lactobacillus reuteriは抗菌スペクトルが非常に広いロイテリン(3-ヒドロキシプロピオンアルデヒド)を作るので、それのin vivo検出を試みた。本研究で得られた知見は、下記のとおりである。1)double cross-overシステムによるL. reuteri JCM1112^Tのロイテリン合成酵素遺伝子破壊株(L. reuteri KO株)を作製した。その菌株では、ロイテリン合成酵素活性がみられなかった。2)SPFマウスに10^<10>レベルのL. reuteri JCM1112^Tを投与したが、比色法では消化管内溶物からのロイテリンを検出できなかった。3)SPFマウスでは、他の細菌の影響を受けるためgerm-freeマウスを用い、ロイテリンの主要成分である3-ヒドロキシプロピオンアルデヒドを二次元^<13>C-NMR解析で検出した。^<13>C_3-グリセロールを経口投与したL. reuteri JCM1112^Tモノアソシエイト・マウスの盲腸内容物から3-ヒドロキシプロピオンアルデヒドを検出した。腸内フローラ構成細菌や経口投与したプロバイオいティクスにより、消化管内で抗菌物質が作られているという推察はなされるが、哺乳動物の消化管内でそれら細菌が抗菌物質を作っているという証明はなされていない。本研究では、ヒト消化管からの分離株であるL. reuteri JCM1112^Tを試験株として、L. reuteri KOを実験対象に用いて、マウス消化管でのロイテリンのin vivoに成功した。本研究成果は、今後のプロバイオティクス研究に貢献するものと考えている。
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